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ビバ彦♂日記
by ビバ彦
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■「松浦亜弥ベスト1」
15・草原の人(TSUNKU♂Mix)
不気味。ボーカル(前回CD収録の歌唱と同一音源)にはリバーブ系をほとんどなくした上で
薄くJETフランジャーみたいなエフェクトをかけている様に感じる。ボーカルの生のニュアンス、
手触りを重視しているつもりなのであろうか。バックがオリジナルにも増して生バンド・
シミュレートであることを勘案すれば、おそらくそうなのだろうが、結果的にボーカルが
意味不明な「不気味なモノ」になってしまっている。空気感が物質感に、手触りが即物感に、
それぞれ変更。モノそのもの、ロカンタンが嘔吐を催したマロニエの木みたいなもん……なぞと
ペダンチックなことを言わなくてもキモイ、気持ちが悪い。ラストは訳の分からぬ奇妙な
エフェクト。多声的にしたかったのか?
16・可能性の道(2005 Version)
松浦ボーカルの実験的作品としては悪くない。アレンジは河野伸から鈴木俊介に変更。
オリジナルはスティービー・ワンダーを下敷きにしていたようだが、今回はミニー・リパートン
でも目指したのだろうか。ハープがやや印象的。多分03年秋ツアーあたりで覚え(ざるを得なかっ)
た松浦さんの癖のある唄い方が全開。04年春の松浦ツアー前半は、正直あまり面白く感じることは
なかった。おざなりの演出、子供だましのコーナー、そしてなによりも癖の付きまくった彼女の
ボーカルに魅力を感じなかったのだ。それが、ゴールデンウィーク頃の渋谷NHKホールのライブ
では一気に変わっていたように記憶している。そこでは彼女のボーカルは真っ直ぐな、ほんとに
ブレの全くないボーカルに変わっていた。その間何があったのかは知らない。そこで僕は、
演出上の問題はあるにせよ、彼女のライブに大感動したものだが、今回は小手先の節回しで
勝負している。懸命にフェイクしているが、彼女特有の軽やかさが出ていない。声域が広いわけで
はないし、声量がある訳でもないから、ディーヴァ系の所謂「歌が上手い」人の真似をすべきでは
ないという結果が今回の作品によって出たと思う。悪くはないが、延々とリピートしようとは
思わないし、DJで使おうとも思わず。
松浦さんの才能に対する信頼は変わらない。しかし、今後彼女がその天賦の才を生かすためには、
彼女自身が音楽的な勉強をして、自己管理しなければいけない、あるいはそのための経験豊富な
家庭教師が必要なんじゃないか? 課外授業をしなければドンドン先細りになっていくぜ!
この3年程の彼女のリリース作品をトータルした印象が今回の作品で決定的になった。
「このままじゃダメだ」。
おそらく、現在の松浦亜弥は現在形のPOPSというものを歌っていないと思う。彼女にあるのは、
個人の力量に委ねる形でのCM露出と熱心なファン相手の閉じた生写真商売としがらみに囚われた
ザッツ芸能界な世渡りと、そんな事ばかりで“スター”になっていく過程だ。
それだって悪くはない。モーニングに、いや、ハロー!全体で見渡しても、こんなスケールの
大きい人材はいなかったのだから。しかし俺が見たかった「松浦亜弥」は、ハワイツアーだとか
水着DVDだとかで小銭を稼ぎ、時代錯誤のニューミュージック演歌を、はげ親父やら事務所の
先輩アイドルのために唄わなければいけないタレントだったのだろうか?
俺はもう一度瑞々しい現代のPOPSを歌う彼女を見てみたい!
03月25日(金)
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