ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
[10025596hit]
■AV界の帝王・村西とおる監督の「新人女優をビデオ出演させる口説きのテクニック」
『心を開かせる技術』(本橋信宏著・幻冬舎新書)より。
【応酬話法というコミュニケーション技術があります。
主に営業の世界で、新人に教育される、営業用トークのことで、営業マンならたいてい、マニュアル本を渡されて、先輩社員からしごかれるものです。
客からの質問や反応に応答するための基本的なセールス・トークで、最も大切な話法です。
セールスするとき、客が「いま、欲しいものではない」と答えれば、営業マンが「いまのうちから備えておいたほうが差がつきます」と対応する。あるいは「ちょっと高いからいりません」と断られた場合、「使い方次第で、どんどん割安になります」と答える。
このように、どんな客の断り方でも、対応して商品を売るトークを応酬話法といいます。
基本は、この商品を持つことによって、あなたはメリットを享受できる、ということをどんな方向からでも説明できることです。
そしてこの話法をさらに磨き上げ、究極の応酬話法に仕上げ、成り上がっていった人物がいます。
AV界の帝王と呼ばれた、村西とおるです。
彼は福島県の工業高校を卒業後、池袋の「どん底」という飲み屋で働き、後に百科事典や英会話教材のセールスマンになります。持って生まれた話術が花開き、月に4セット売れれば上出来の世界で、月に40セット売り上げる、という驚異的セールスを達成します。
彼が秀でていたのは、単なるセールストークの応酬話法を、生きていく上での決定的な話法として完成させた点でした。
「だいたいお客が断る理由というのは、たくさんあるようにみえて、実際は5つか6つ、いや、もっと絞り込めば3つ程度なんですよ。
ちょっと高い。いまは必要じゃない。興味がない。商品セールスの場合、だいたいこの3つなんです。だったら、この3つに対しての答え方を準備しておけばいい。あとはその応用なんです」
彼は後に、村西とおるというAV監督になるのですが、当初は素人の悲しさゆえ、まったく売れない時期がつづきます。
横浜国立大生黒木香との共演作「SMぽいの好き」が世間を騒がせ、AV界の帝王といった異名を持つようになるのですが、村西監督が異彩を放ったのは、新人女優を相次ぎビデオ出演させる口説きのテクニックでした。
他の監督ではなかなか首を縦に振らなかったOLや女子大生が、村西監督の面接にかかると、あっけなく出演を承諾してしまう。
いったい彼の口説きとはどんなものだったのでしょうか。
多くのビデオ関係者が悔しがった村西とおるの説得術というのが、彼が完成させた応酬話法だったのです。
前章で述べたように、AVに出ようとする子たちは、ほとんどが親に内緒で出ようとします。彼女たちにとって、最も頭を悩ませる問題が、親に知られる恐れ、いわゆる“親バレ”です。
村西監督は、面接のときに応酬話法でどう切り出すのでしょう。
いきなり両親の話を持ってくるのです。
「素晴らしい! とてもチャーミングな笑顔、そしてそのナイスなバディ。素晴らしいですよ。こんなファンタスティックなスタイルは、不肖村西とおる、いまだかつて見たことがありません。素晴らしすぎる! そのバディ、張りそってます、張りそってますよ。うーん、ナイスですね。でもね、いいですか。あなたのその素晴らしい肉体は、決してあなたが努力して築き上げたものではないんですよ。あなたの素晴らしい肉体は、ご両親からいただいたもの、ご両親があなたを産み育てたからなんです。あなたはまずお父さんお母さんに感謝してください。わかりましたね。あなたの努力はその後なんです。これからなんですね」
この会話にはすでに応酬話法のすべての要素がふくまれています。
まず、いきなり最大の問題点である親バレについて避けることなく、みずから冒頭に持ってきています。親の問題を避けることなく、あえて話題のテーマに掲げるところに、村西監督流応酬話法の凄みがあります。
お父さんお母さんの存在によってあなたが生まれた、という事実を認識させることで、女の子が抱いている親バレの恐怖をいきなり払拭してしまいます。】
〜〜〜〜〜〜〜
[5]続きを読む
08月18日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る