ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「ブタもおだてりゃ木にのぼる」という言葉を作った男
笹川:もともとは小ネタのひとつだったんですけど、何だか反響が大きかったですねぇ。よく、「あなたが、この言葉を作ったんですか?」と質問されるんですが、そうじゃないんです。福島県に住んでいた子どもの頃、どこかで耳にした言葉なんですよ。だから、福島出身の人は「自分も聞いたことがある」と言う方が多いですね。人間って面白いもので、けなされるより誉められた方が伸びるんですよ。教訓ってわけじゃないんですが、好きな言葉として僕の頭の中に残っていた。それを具現化したものなんです。でも、面白い話があってね。以前、金田一春彦先生が『笑っていいとも』という番組のなかで、この言葉はあるアニメプロダクションが作ったものだと説明されていたんですよ。そんなぁ、おかしいなぁと思ってね(笑)】

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 『タイムボカン』シリーズがこれだけの「歴史的ヒット作」になってみると、3年間も「お蔵入り」だったことが疑問に思えます。
 でも、ここで笹川さんが仰っておられるように、この作品の魅力をスポンサーに伝えるのは、なかなか難しかったのではないでしょうか。
 「真面目なタイムマシン物」だと思う人が多かった、ということなのですが、笹川さんによると、放送開始から5話目くらいまでは、視聴率も上がらず、「もっと真面目にやったほうがいいんじゃないの」なんて周囲から言われたこともあったそうです。
 このインタビューを読んでいると、『ヤッターマン』の世界は、数多くの演出家やアニメーターが切磋琢磨してつくられていたのだ、ということがよくわかります。そして、製作側にとっても、この作品の「自由度」は、すごく魅力的なものだったのでしょう。放送時小学生だった僕は、「ドロンジョさまの露出」がエスカレートしていくことに驚いていたのですが、その陰にはこんな「競争意識」が働いていたんですね。

 現在公開されている映画の『ヤッターマン』を観ながら考えていたのですが、いまの世の中では、ボヤッキーの「全国の女性高生のみなさ〜ん」とか、原爆の「キノコ雲」を思い起こさせるドロンボ―メカの爆発シーンでの「ドクロ雲」とか、ヘタすれば「おしおき」という言葉だって、「子供にふさわしくない」と弾劾されてもおかしくないですよね。
 幸いなことに、リメイク作品でも、あまりそういう「規制」はなされていないようなのですけど。
 
 それにしても、あの「ブタもおだてりゃ木にのぼる」という言葉、僕もすっかり『ヤッターマン』から生まれたのだと思いこんでいたのですが、笹川さんによると、「福島県(の一部?)でもともと使われていた言い回しなんですね。
 あの金田一先生も『ヤッターマン』を視ておられたのかもしれませんが、テレビで有名な学者が言っているからといって、鵜呑みにしないほうがいいんだなあ、と考えさせられました。
 笹川さんか『ヤッターマン』のスタッフに一言確認すれば済む話のはずなのに。
 結局のところ、最初に作ったのが誰にせよ、あの言葉がこれほど世に広まったのは、やはり、「おだてブタ」のキャラクターと登場するタイミング、声優さんの力のおかげなので、実質的には「あるアニメプロダクションがつくったようなもの」なのかもしれませんが。

03月23日(月)
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