ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
[10025136hit]
■通信カラオケの楽曲は、誰がどこでどうやって作っているのか?
考えてみれば、実際に聞き比べてみるまでもなく、「カラオケバージョン」の音色と通信カラオケの音色は「全然違う」のですけどね。
そして、僕がもうひとつ驚いたのは、「レコード会社はカラオケ音源制作会社に楽譜すら提供しない」ということです。
レコード会社にとってみれば、現在ではカラオケは大事なプロモーションの場でもありますし、自分たちでデータを制作して配るくらいの意気込みなのかと思いきや、ただ「原曲を提供するだけ」なんですね。
ここで登場する「打ち込み職人」の直井さんの音感のすごさ、僕にはちょっと想像もつきません。
完成している曲を楽器パート別に聞き分けて、それを一音一音「耳コピー」していくというのは、ものすごい作業量。
普通の耳しか持たない人間には、そもそも「聞き分ける」ことが無理です。
ちなみに、【1曲完成させるまでにかかる時間は平均で30時間。月産だいたい5〜6曲。1曲の報酬は4万5千円】なのだとか。
機材を揃えれば、そんなに経費がかかる仕事ではないのでしょうが、これだけの特殊技能に対する報酬としては、けっして高くはありません。音感だけじゃなくて、ある程度コンピューターも扱えないとダメなはず。
それでも、毎週通信カラオケに配信される「新譜」の数を考えると、直井さんのような「職人」が、日本にはまだたくさんいるのでしょう(著者の烏賀陽さんによると、2008年現在、日本の通信カラオケには8〜9万曲あるそうです)。
韓国や中国のメーカーからも10分の1の価格でカラオケ音楽制作の売り込みがあるそうなのですが、いまのところ「クオリティが段違い。日本人がつくったほうが圧倒的に良いので、安くても頼めない」のだとか。
日本の場合、歌う側も「カラオケ音楽の質」には、けっこう敏感ですしね。
ただ、こういう「職人芸」が今後も日本で生き残っていけるかどうかは、なんともいえないような気もします。
通信環境が改善されてしまえば、それこそ「CDのカラオケバージョン」をそのまま配信することだって可能でしょう。
ただ、それをバックに歌っても、「何か違う」のかもしれません。あのMIDIの音が「カラオケらしさ」ではあるのだよなあ。
01月07日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る