ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「モテようとしない男は努力が足らない」
また、同じくらいの「努力の才能」を持つ人間であっても、「環境の力」というのはけっこう大きいと思われます。同じくらいの「モテる才能」を持った男子でも、山の中の男子校で寮生活をするのと、都会の共学の高校に通っているのとでは、「興味の方向性」や「立ち振る舞いの洗練されかた」は大きく違ってくるはずです。
「モテようとしない男は努力が足らない」
「オタクは努力と女から逃げている」
こういう言説は、今でも本当にしばしば目にも耳にもします。
そして、それを力説するのは、いつも「勝ち組」である「モテる男」か「モテるようになった男」、あるいは「モテる男にちやほやされたい女」なんですよね。
よく考えてみれば、赤坂さんが書かれているように「モテる男は正しい」というのは、星の数ほどある人間の「多様な価値観のひとつ」でしかないわけで、僕のように「モテる才能に乏しい人間」が、どうして同じ土俵に好きこのんで立たなければならないのか、疑問になってきます。
もし、イチローが僕に向かって、「野球をやろうとしない男は努力が足らない」「オタクは努力と野球から逃げている」と説教してきて、「だからお前も野球をやれ、そうしないと生きている意味がない」と決めつけてきたらどうでしょうか。
「お前の得意分野で勝負しようとするなよ!」って、思わない?
こんな世の中に生まれてしまった人間にとっては、「恋愛市場に参入しないで生きる」というのは、それはそれで難しいことではあるんですけどね。3僕が結婚できてよかったと思っていることのうちのひとつは、「なんで結婚しないのか?」という煩わしい質問をされなくなったことなんですよね。本来は「結婚した理由」が問われるべきなのではなのでしょうが、ある一定の年齢を過ぎると、「結婚していないこと」に理由が必要になるのです。
ただ、「恋愛」というのは、たしかに「最も多くの人に幸福感を与えられる娯楽」ではあるのかもしれません。
野球のようなスポーツや学問の世界のように、明確な「勝ち負け」がないので、「生涯でたった一人の女性に愛されただけで勝ち!」みたいな、多彩な「勝利条件」もありますし。逆に、「何人もの異性に愛されたのに満たされない」なんていうこともありがちなのですが……
極論すれば、人間って、恋愛という娯楽がなくなったら、戦争でもやるしかなくなっちゃうんじゃないかなあ、などと僕は思うのですよ。
だからといって、「恋愛の才能が無い人」や「恋愛に興味が持てない人」も「恋愛市場」に参入することが強制され、わざわざコンプレックスを植えつけられるというのは、酷い話ではあるんですけどね……
03月04日(火)
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