ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6856,閑話小題 〜やるせな漂う末恐ろしい事件


  * 気の毒というよりも…
 この男の「新幹線内の三人への殺傷事件。 キーワードは『発達障害』。
行場のない男の必然的な事件。理解してくれたのが祖母だけ。理解不明が父親。
何とも気の毒な事件。生活すること自体が息が出来ない程、苦しいのである。
 誰とも打ち解けることができない持病を持っているが、外見では、それは理解
して貰えない。論理の筋立て不可能となれば、本人にとって、次の瞬間に出あう
全てが敵。そこに異常性欲が絡む。 三食の食事さえ確保が精一杯。ならば監獄
に隔離して貰えば、巡りまわる精神の動揺が収まるならば、その方が良い。
理解してくれるのは祖母。目先の敵は、両親。特に父親。 何で関係ない一般人
を殺傷するのか? それしか思いつかない病気なら、何ともしようがない。 
 彼の書棚にはドストエフスキーの書があった。正に彼そのものの生き方が小説
そのもの。20歳半ばは、精神の根底が大揺れに… それが一歩間違えると、精神
錯乱に…。これを乗越えられるか否かで、将来が決まってくる程の危ない時節。 
 以下は、〜ネット検索にあった記事〜 なかなか読み応えのある内容だ。 
彼は病んではいたが、狂ってはいなかった!だから、隔離をして欲しかったのだ。
常識的日常に堪えられなかっただけ、息が出来なかった。 だから万歳をした!
『何をぬかすか!』という、彼の冷たい視線(亡霊)が… 背後に感じとれる。
 ―
  記事そのものが、文学的、心理学的 ?… 
≪「罪と罰」(ドストエフスキー)、「楢山節考」(深沢七郎)など文学作品や、
「ローマ人の物語」(塩野七生)といった歴史物の本を愛読していた。 事件後、
彼の部屋からは「口語訳聖書 創世記」と題されたノートや、自作の小説らしき
ものを記したメモなども多数見つかっている。その中身は次のようなもの…
◉〈人の世は住みにくい。人の世は住みにくかろうが、人でなしの世はなお住み
にくかろう。人の世から住みにくさをとりのぞいたのが詩であり、画である。
私の前途は死ぬか、宗教に入るか気狂いになるしかない。
詩人的な実在は罪である。罪とは絶望である。絶望とは分裂である〉
◉ また〈人生においてやり残したこと〉と題されたメモには、
〈1、冬の雪山での自殺←もう春である〉と自殺願望をほのめかしながら、
〈若い子たちとTCG(*トレーディング・カード・ゲーム。専用のカードを
集めて対戦するゲーム)をしたいという気持ちがわきあがってきた 
その為には外出しなければならないだろう〉という記述もある。
◉ 小島容疑者は、社会復帰を目指して、昨年11月から障害者支援施設で働き
 始めたが―。「勤務態度もまじめだったのですが、1カ月もしないうちに
『ホームレスになりたいから辞めたい』と言い出したのです。
『自分はホームレスをやったことがあって、食事を全然取らなかったときの空腹
感が快感になって忘れられない』と。それっきり職場には来なくなった」(同僚)
◉ 年末、小島容疑者は4度目の家出をする。
「『自殺する』と言ってロープを持って家を出て、寝袋で野宿しながら半年
もの間、長野県内を転々としていたようです。生活費は祖母から貰ったキャッシュ
カードで下ろした年金を使っていた。このお金でナイフも購入したようです」
(前出・社会部記者) そして6月9日、小島容疑者は凶行に走った――。 》

 ――
▼ 秋葉原無差別テロの犯人の精神状態に似てないか。祖母の心は、彷徨い
 荒れ狂っているはず。ひたすら、冷たい視線に晒され、それでも愛情を注ぐ
ことで、供に苦しむことが、二人、いや被害者と被害家族への償いになる。
 ところで、刑務所内は、彼の精神的逃げ場とは全く違う世界であることに
気づくに僅かな時間を要しない。それが罪に対する罰になる。精神病棟なら、
少しは救いがあるが。

・・・・・・
6492,閑話小題 〜アメリカの迷走
2018年12月22日(土)
   * 今年も、あと10日足らずですか
 身近に不幸もなく、吾が身も何事もなく無事平安の年で終わりそう。

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12月22日(日)
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