ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6793,映画評 〜『ジョーカー』 −2
映画評 〜『ジョーカー』 −2
* 人間の悪の原点とは
重く、息苦しく感じるのは、人間の原罪を目の当たりにする内容だから。
誰もが内に秘める狂気が何かをキッカケに呆気なく爆発する。ヒットラーに
しろ、スターリンも、こういう狂気を秘めていた。多かれ少なかれ人間には、
傷があり、それが膿んで心を歪めている。 ジョーカーこと「アーサー」は、
心優しさが、実は自分を苦しめさせている。恐ろしいのは、このピエロの
殺人鬼に底辺の人たちが喝采の浴びせ、英雄視されること。人生を真面に生きる
ことは、「狂気」に生きることか? 一人の人間の中には、生命誕生以来の
経験が刻まれている。弱肉強食の結果、それぞれが特徴を生かした結果が、
現時点の自分が存在している。我々は、この小さな肉体の中に、知識という
情報を詰め込まれて、満ち溢れた欲望で窒息しそうに生きている。ある意味、
既に生まれ落ちた時から人生が決まっている。問題は母親。「親の顔が見て
みたい」…それである。
その時、アーサーのジョーカーが、トランプ大統領に重ねってみえたのは、
これ如何に!
〜ネットに、要所をついた評論があった〜
≪ ジョーカーは父親の暴力によって笑病を発症したと記載しましたが、
この事実が明らかになるのは劇終盤。のちのジョーカーこと「アーサー」
は、年老いた母と二人暮らしをしています。
この母は市議選に立候補した「トーマス・ウェイン」に過去、仕えていたこと
があり、ウェインから援助をしてもらいたいと、たびたび彼に手紙を送っています。
トーマス・ウェインは、のちのバットマンであるブルースの父です。
中盤にさしかかり、母親がトーマスに宛てた手紙をアーサーは盗み見しました。
そこには、トーマスと母の間にできた子供がアーサーで、アーサーはトーマスの
息子であることが記載されており、アーサーは驚愕すると同時に激怒。
母を問い詰めて母からトーマスの息子である旨を聞き出します。
自分はトーマスの息子だと知ったアーサーは、トーマスのもとへ行きますが、
トーマスから「いかれ女がいう戯言である」「母親と関係を持ったことはない」
「お前はあの女の養子だ」と殴られ、追い返されてしまいました。
トーマスから母親が精神病院に入院していたことを聞いたアーサーは、
トーマスが言っていたことが本当かどうか、病院で記録を確かめます。
その記録には、
・アーサーが母と血のつながりのない養子であること
・アーサーは母の恋人の暴力で頭部に損傷を受けたこと(これが原因で笑病に
なったとは記載されていませんが、おそらくこれが原因)
・母がそれを全く止めなかった(ネグレクト)
・父は本当にトーマスではなかったなど…知りたくもない事実が記載されていた。
また、衝撃の事実が判明したころアーサーが付き合っていたと思っていた相手も、
アーサーが薬の副作用で幻覚を見ていただけで付き合っておらず、彼は独り
ぼっちであることを思い知らされる。仕事もリストラされ、信じていた母に
裏切られ、全てをなくしてしまったアーサーはジョーカーにならざるを得な
かったのかもしれません……。
結局ジョーカーは再度つかまり、精神病棟にいれられてしまいます。
しかし、面談が終わり、部屋から出てきて廊下を歩くジョーカーの足跡は血に
染まっていました。このことから、ジョーカーは誰かを殺し、病棟から出よう
としている?のではないかと思わせる終わり方をしています。 ≫
―
▼ 暴発殺人から始まった異常殺戮の当人に感情移入に入っている自分に
驚いてしまう。 〜ジョーカーとは。
1 しゃれや冗談をいつも言う人。道化者。
2 トランプで、道化師の絵などが描いてある番外の札。最高の切り札、または
手元にない札の代用として使う。「ばばをひく」の「ばば」。
あたりの悪い「はは」を「ババ」とは、これ如何に? 人生には、どん底に
幾回か陥ることが… その時の、気分が、このジョーカーを貫いていた心地か。
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10月20日(日)
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