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堀井On-Line
by horii86
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■6794,読書日記 ー退屈なのは、世界か、自分か 〜2
<僕が旅に出る理由 NIPPON DREM PROJECT>
* 旅の目的地は、新しい自分
;編者が100人の学生の旅行体験から感じたことは:
「旅の目的地は、いつも新しい自分なんだ」ということ。 52年前から此の方、
何時も、旅行先で、それまで背負った肩の荷を振り落としてきた。 旅先で、
新しい何かに出会い、こころと、魂を刺激され、今までの自分に向き合い、
新たな気持ちで歩み出してきた。 異なる世界で、感動し、そこから逆照射して
みる日本と自分。その背景は私が過ごしている日常世界。そこに戻っていく返り
旅の機内の中で、新たな視線で、自分を見つめ直す感覚。それは外国でなくても
可能だが、差異の感覚が大きいほど、それまでの自分と、その世界をクッキリと
浮びあわしてくれる。
最初の欧州旅行の衝撃度の大きさは、その後の人生に大きい影響を与えた。
それを経験した100人が集い、11名が経験談を一冊の本にしている。
ここで… 『叩き壊された日本製の当り前』の実感が記されている。
知らなかった世界で出会ったのは、見知らぬ自分。そして新しい視点の私自身と、
ちっぽけな日常。 取分け面白いのが第一フライトと、帰路フライトの機内。
第一フライトは期待と不安で胸が裂けそうになり、帰路フライトは、満ち足りた
気持ちと安堵の感で… 還暦とは、良くいったもの。 ハイライトも過ぎて、
帰路に流れが変わり、「下り坂、最高!」の気持ちに切り替わる頃。
数年前に亡くなった従兄。 20年位前の法事の席で、
『あなたの話の全てが現実的でない!』と、怒るように話しかけてきた。
500mの生活圏から、数年に一度、市外に出るか出ないか。日常世界が、現実と
しか思えないようだ。 読書習慣がないため、言語を通したイメージ世界を、
想像出来ない。一歩外に出る勇気を無くしてしまったようだ。その歪んだのが、
先日、映画評でテーマにした『ジョーカー』。
若い時節に経験した挫折感。茫然として、気力も何もかも失われ、ひたすら
暗い気持ちで時を過ごす。残っているのは、それでも、残っているのは、それ
まで経験してきた充実感と両親から貰った温み。
・・・・・・
4601, 読書という体験 ー3
2013年10月21日(月)
「読書という体験」 岩波文庫編集部 (編集)
* 読書欲のすすめ ――「本をものにする、これは快感だ!」齋藤孝著
前回の藤原正彦の授業内容がアップダウン方式に対し、斎藤孝は、読む本を
受講者自らが選び、直接、受講生同士が、情報を交換させる方式。一長一短が
あるが、融合も可能。 読書の質量を増やすに非常に効果的である。ーその辺りー
《 私は今、「読書しない人間撲滅運動」を展開している。といっても、
明大の教職課程の授業での話だが、これがなかなかいい線まで来ている。
読書をしないのは、受講生約四百人中残り五人ほどになってきた。この場合の
読書しない基準は、一週間何も読まなかったというケースだ。一週間ごとに
何冊読んだかをチェックする。週二、三冊読む者も30%を超えるほどになった。
やり方は簡単だ。一週間に読んだ本をコメント付きのリストにして書いてきて
もらい、それを持って教室内を自由に動き回り、学生同士で情報交換をして
もらう。これは効く。教師が本をすすめるだけでなく、学生同士の方がむしろ
刺激が強い場合もある。大いに本を読んでいる人間と出会って話を聞くと、
自然に読書欲がかき立てられる。おすすめ本の情報交換は読書のきっかけづくり
にはもってこいだ。「本を読む読まないは個人の自由だ」と言う学生がいる。
私は、「本を読まない人間には教師になる資格はない」と言い切ることにして
いる。本を読み、勉強し続け、知識を得る喜びを常に味わい続けている者からは、
知識に対する「あこがれ」の熱気が発散される。それが生徒たちの向学心に
火をつけるのだ。私自身が、そうした読書好きの先生たちから多くのいい影響
を受けてきた。授業のはじめに、そのとき読んでいる本の内容を楽しそうに
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10月21日(月)
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