ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6083,「砂の文明 石の文明 泥の文明」〜読書日記
       「砂の文明 石の文明 泥の文明」松本健一(著)
 世界の「文明の衝突」を分りやすく説いた内容。砂、石、泥の例えが何とも妙。
人見知りもあり、パックツアーのシステムをフル活用をして、これまで51回の
海外旅行をしてきた。 パックとはいえ、そのエネルギーは膨大にかかる。
行先で世界の大自然、文化・文明を数多く見てきた。その中で、各地の住居は、
その周辺の物で作られた文化の象徴。エスキモーは氷で、チチカカ湖では、群生
している葦で浮島と家を作っていた。
 北アフリカや中東の動乱で、数百万単位のアラブ人が、欧州になだれ込んでいる。
当然、そこでは文明の相剋が出てくる。砂の文明は、金持ちが貧乏人に施すのが
当然というイスラムの教えがある。キリスト教圏は、弱者に施しの教えがあっても、
大部分の人にとって、自らの生活で精いっぱい。流民を見過ごす余裕などはない。
そこで人道上の問題もあって、郊外に仮説小屋を建て、囲いこむ。最近、トルコ
に資金援助をして、何割かを引き受けさせている。そこに欧州人と、アラブ人の
生活格差の問題が現われ出てくる。所詮、砂と石の文明は、体質が合わない。
砂の定義を調べると、<岩石が風化・浸食・運搬される過程で生じた岩片や鉱物
片などの 砕屑物から構成され、サンゴ・貝殻などの石灰質の化石片を含む …」
とある。砂漠の民が、石の文化と適応するには時間がかかる。
   〜Amazonの‘内容紹介’より
≪ 砂のイスラム、石のヨーロッパ、泥のアジア―
   ―文明の原点を風土に根ざした三つに分類。
「泥の文明」に位置付けられる日本の独自性に迫る。世界はいま「文明の衝突」
の世紀を迎えたという。だが「アメリカ中心の民主主義」VS.「野蛮なテロ集団」
という構図だけで、深層は読み解けない。ここでは、民族と風土のあり様を
三つのカテゴリーに分類。
 「砂の文明」としてのイスラム、
 「石の文明」の欧米、
 「泥の文明」のアジア。 そして、各々の本質が
<ネットワークする力><外に進出する力><内に蓄積する力>であることを
 考察。 著者は、「泥の文明」が生んだアジア的思考に、西洋文明を超える力
が秘められている、と語る。 世界を歩き、縦横に思索を広げた独創的文明論。
   ―主な内容― Amazon
【人はなぜ「不毛」な砂漠に住むのか/中国の「精神文明」、日本の「精神文化」/
「文化」は民族の生るかたち/「文明の衝突」はあり得ない/「アメリカ原理主義」
という病理/アラブの国境線が点線である理由/なぜ日本車が世界を制覇したのか/
日本文化の底層にあるインド文明/力のヨーロッパ、美のアジア/ など。
〜ヨーロッパ=石、アラブ=砂、アジア=泥。それぞれの文明の違いを著者の言葉
でわかりやすく述べている。 また、文化と文明の違いについての考察も興味深い。
文化=民族の生きる形、すなわちそれぞれの民族が固有に持っている個性的な
暮らし方であり、伝統であり、風習にほかならないという。
 一方、文明とは何か。普遍的なものであり、非常に使いやすいものだという。
それゆえにグローバルに浸透していく。普遍的なゆえに必ず滅びていく、つまり
新たな普遍的なものに取って代わられるということになる。全く同感である。
著者の教養がにじみ出ている書であり、特に泥の文明の記述は、さらに詳細に
知りたいという欲求を生じさせる。編集者がインドへ旅立ってしまったのも、
さもありなんと思う。あと一つ知りたいのはアメリカとヨーロッパの関係である。
単純に石の文明がアメリカに持ち込まれ、外へ進出する力がアメリカで働き
つづけているとすると、今のヨーロッパは過去から変化しているようにも見える。
また、本当にアメリカは石の文明が移植されたものなのか、アメリカという
土壌を得て別の文明と考えるべきではなのか。検証してみたい事柄である。】

▼ 泥は水分の混ざった土。土は腐った植物などで出来ている。人間の体質には
 土が理想的だが、地域により違う。欧米は、石、コンクリートの建物。日本は

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11月08日(水)
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