ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5819,緩和小題 〜しまった! ―人は楽観過ぎる    ー 7

      
      < しまった! 「失敗の心理」を科学する
       ジョゼフ・T・ハリナン (著) >
   * 人は楽観的過ぎる生きもの
 えてして、人は自分の言動の記憶は甘くなる。自分の好成績とか、楽しかった
ことは憶えているが、嫌なこと、失敗したことは本能的に封印する。褒められた
こと、良い成績をとったこと、楽しかったツアーなどは記憶を繰返すため鮮明に
記憶に残る。半面、失敗したこと、立ち直れない程の挫折したことは、本能が
不快として、記憶の奥底に封印する。誰の身近にも、「世界は私のためにある」
と思い込んでいる超個人主義者が存在する。私もそうかもしれないが、横に置く。
 遺伝子の本質が自己保存のため利己主義に出来ており、それ故に生存し現在に
至っている事実がある。人間とて、その延長の存在でしかない。遺伝子は生物の
物体を通して生き延びてきた。 超個人主義者を注視すると、意外と幸せそう。
当人は我儘を自覚しているため、隠す業が身についている。 何事も前向きに、
出来るうち、したいうちにするが基本となっている。
 一般的には、18歳までにつくられた固定観念に縛られ、その枠内だけで 生き
ようとする。我儘の特質の一つが超楽観的であること。同じ生きるなら楽観的が
良いが、悲観もないと、大きな挫折が待っている。楽観3に、悲観1の割合が丁度
良い塩梅か。 <短期は悲観的に考えて失敗を最小にして、長期的には楽観的に、
しかし最悪に備えたシェルターを整備しておく> というところか。
   
   * 「決断」は意外と底が浅い
 人生の大きな岐路で、「決断」の場面があるが、これが意外と底が浅いという。
その理由が、<人には「バイアス」がかかっているが、自分にかかっていると
認めたくない心理が働く。これを克服するに、自分に大きなバイアスがかかって
いるという知識と自覚が必要だが、それは土台無理の話。> これが、強固な
バイアスを通した「決断」なら、底が浅いという道理になる。その為、人生を
左右する岐路には、大きな挫折か、決定的な要因が必要になる。人間は、往々
にして、「決断」が出来ずに、後に延ばし、致命的失敗を繰返す生きもの。
中・長期の決断には、準備が必要。 準備を重ねた決断はその分、底が深くなる。
 <「決断」は意外と底が浅い>は、あくまで一面でしかない。そういうこと。

〜ところで、以下の内容が面白い!どのみち死ぬのだから、際ものの人生もある。
 いや、アンハッピーリッチの方が幅と深みがあって面白そう。 人によるか?
・・・・・・
5453,人生で最も大切な技術 ー23 豊かな貧困者
2016年02月19日(金)
       『幸福の探求―人生で最も大切な技術』マチウ リカール著
   * ハッピープアー(豊かな貧困者)の存在
「豊かな貧困者」の言葉が意味深長。 仏教用語の「無一物中無尽蔵」の意味、
「人間は無一物が本来の姿だから 、それに徹したとき、逆に一切が無限に出現
する自在の境地が開ける」と似ている。最貧の状態が、最も豊かになることも
ある。 その具体的なケースとすれば解りやすい。 〜その辺りから
≪ 心理学者グループの研究にハッピープアー(幸福な貧困者)と呼ばれる層
 に関するテーマだが、ストレスに苛まれている富裕層が羨むような、陽気で
苦労知らずの人たちをこう呼んでいる。ディエナーによって実施された研究も
その一つ。カルカッタの路上生活者とスラム居住者を対象にした調査から、
彼らの家庭生活、友情、道徳、食事、喜びを含む各種の分野における満足度が、
大学生レベルとほとんど変わらないことが判明した。
 一方、社会的、感情的な愛着をほとんど断ち切っているサンフランシスコの
路上や保護施設生活者の場合は「非常に不幸」と答えている。社会学者たちは、
このハッピー・プア現象の説明に、以下の事実を根拠にしている。
 カルカッタの貧困層の多くは、社会的、経済的な立場が向上する希望を
まったく放棄している結果、この点で不安を感じない。しかも彼らは、食品

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02月19日(日)
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