ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5704,自分のための人生 〜F
◆これが人生だ!
幸福であるためには、充実した時間の積み重ねが必要である。
停滞した社会の中で、人生は、日常を暖かく明るく営むことことだ。
〜以下の一節が良い。
≪ 何よりも大切なことは、彼ら人生の達人が自分自身を愛しているということ。
「成長したい」という願望に促されて彼らは行動する。どちらかを選択せよと
言わたら、必ず彼らは自分を大切にするほうを選ぶ。自己憐憫や自己否定や
自己嫌悪に陥る隙を、自分に与えない。彼らは幸福を追い求めたりはしない。
生きることがすなわち、彼らにとっての幸福である。
次に引用するのは、これまで述べた<充実した生き方>の要約である。
< 幸福を見つけようとすることが、何よりも幸福から遠ざかってしまうこと
なのである。 歴史家のウィル・デュラントは、知識の中に幸福を見いだ
そうとしたが、見つけたものは幻想だったと書いている。
彼は次に旅行の中に幸福を求めたが、退屈しか見いだせなかった。
さらに、富の中に求めたが、仲たがいと心配しかなかった。
著述の中に幸福はないかと探したが、疲労しかなかった。
ある日彼は、眠っている赤ん坊を抱いた女性がクルマの中で夫を待って
いるのを見かけた。しばらくすると、夫が列車から降りて近づいた。
そして、その女性にやさしくキスをし、次に、その赤ん坊にも眠っている
のを起こさないようにそっとキスをした。
それから、その家族はクルマで去っていってしまったのだが、後に
残されたデュラントは、そのとき、はたと幸福の実体に思い当たった。
むきになって幸福を追求するのをやめてみたら、
「日常生活のすべての営みが幸福を含んでいる」ことに気がついた。
現在という時を最高に充実させることによって、あなたも、幸福の傍観者
ではなく、幸福な人間のひとりになれるのである。> ≫
▼「いま、ここ、わたし」の垂直が永遠につながっている。その垂直を大事に
して生きればよい。そのためには、日常が充実してなくてはならない。
メーテルリンクの夢幻劇。 <貧しいきこりの子の兄妹チルチルとミチルが、
クリスマス・イブの夜、仙女の訪問を受け、その言い付けで「青い鳥」を探し
に出かける。「思い出の国」「夜の宮殿」「未来の王国」などを探しまわるが、
どこにも「青い鳥」は見つからない。ようやく自分たちの家に帰ってきたとき、
すべては夢だったことがわかる。そして「青い鳥」(幸福)は家で飼っていた
キジバトだったことを知る…> 人生も、気持ちの持ちようの日常にある。
・・・・・・
5339,構造主義とポスト構造主義 〜A
2015年10月27日(火)
* ポスト構造主義とは 〜『世界の哲学・思想』小須田健著
ポスト構造主義とは、現状を追認する保守的思想形態に陥りがちな構造主義を
批判、多様性を認める必要性を説いた。米ソ対立、自民党対社会党の二項対立
から、ソ連崩壊と中国の資本主義化などを経て、現在の、混沌とした社会を
語るに「ポスト構造主義」は、正にうってつけ。 〜その辺りから〜
≪「ポスト」とは、「の後に」という意味です。ですから、ポスト構造主義とは
構造主義の後に登場した思想のことを指します。ただし、「ポスト」構造主義と
いう呼称から想像できるように、実存主義における「実存」や構造主義における
「構造」にあたる明確なキーワードがそこには欠けています。
これは、もはや現代が一つのキーワードで包括的に語れる時代ではなくなって
しまったことを反映しているのかもしれません。この名称そのものは、八○年代
にデリダを中心としたフランス現代思想を積極的に受容したアメリカで生まれた。
当初は主に文芸批評の領域で用いられていましたが、やがてフランスにも逆輸入
され定着していったようです。
構造主義は、私たちをとりまく諸制度の中に潜んでいる諸構造の分析に
主眼を置いていました。ただそのために、ややもすると現状を追認する
保守的思想形態に陥りかねない危険性がそこには内在していたのです。
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10月27日(木)
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