ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5579,突然、余命宣告を受けました ー⑧
『あの世へ逝く力』 小林玖仁男著
*「虎穴問答」と、余命宣言
これまで、「虎穴問答」について何度か書いてきた。以下は4年前の内容。
『余命宣言』された本人にとって、治療余地のない、二年以内に間違いなく
死んでしまう病気が虎。いつ何時、陥った虎穴に飛びこんできて襲われる運命
の中、救われるために、自ら食われてやれば愛と誇りが残ることになる。
以下のスピーチは、まさに、虎穴問答の悟りと同じ。死をマイナスに捉えず、
積極的に、明るく迎えることが、虎に自ら食われてやることに、あい通じる。
≪ 所属している川口ロータリークラブの、決戦というか、人生の幕引きの
スピーチが始まりでした。会場を埋めた約八十人を前に、余命宣告を受けた
身であることを告げ、死に対する自分の向き合い方などを語り、最後に
このような話を付け加えました。
「多くのことの始まりには理由はありませんが、どう終わらせるかは
自分で考えて決めることができます。」生まれた理由は見つけられません。
しかし、終わるための納得する理由は、自分で見つけられます。自分で、
人生の終わりの意義を、明るく納得するように考えればいいんです。
私のラストテーマ、"死を、積極的に、明るく迎える"こと。死を恐れ、
死を忌み嫌い、死を避けながら終わるのではなく、前向きに納得できる
ものとして組み立てていくのが大事だと思っています。私は、最後まで
元気を出していきたいと思います。」会場は水を打ったように静かでしたが、
私が明るく話すので、途中からは笑いも起こりました。ほとんどの方は
驚きつつも、好意的に受け止めてくれたようです。≫
この虎穴問答、私の事業の幕引きのときも引合いに出していた。
辛い、厳しい、誰もが経験する最期の一週間の苦痛の中で、後向きにならず、
立ち向うことが出来るか否か。息が出来なくなり、最期は窒息状態でもがき、
死んでいく。ガンの壮絶な苦しみとは違った苦痛。
―――
2012/08/07
虎穴問答
以前に少し取り上げた「虎穴問答」について。 金沢の「いとはん」という
衣料チェーンにいた時の話。同期10数人で勉強会をつくって、そこに石川県
知事を呼んで話を聞いたことがあった。それが社長の逆鱗にふれ、「預りの身?」
の立場上、抜き差しのならない事態になった時に、書店で見つけた本にあった
問答。そして自から、その会を潰すことになった。 去年の倒産劇の時も、
この問答を思い出していた。死に体の会社を一歩早く潰すか、ぎりぎりまで
頑張るべきかの決断の際に、この問答を何度も類推し、考えてみた。
逃げまくった末に、食べられるか、自ら、早々、食べられてやるか?
ーネットで「虎穴問答」を調べてみたが、その部分からー
≪ 大阪控訴院でのこと、ある日、審理の最中に王仁三郎は裁判長に向い、
「人虎孔裡に墜つ」という禅問答をいどんだことがある。これはひとりの人間が
虎の穴へ落ちこんだ場合どうしたらよいか、という問答だ。 王仁三郎が、
「裁判長、あなたはどうお考えになりますか」というと、裁判長は自分は法律家
だからわからないが、どういうことかと逆に問う。そこで王仁三郎の説法が始まる。
<人間より虎のほうが強いから逃げようとすると殺される。刃むかっていっても
同じことだ。ジッとしていても虎が腹がへってくると殺しにくる。どっちに
しても助からない。けれど一つだけ生きるみちがある。それは食われてはだめだ。
こちらから食わしてやるのだ。食われたらあとにはなにも残らんが、自分のほう
から食わしてやればあとに愛と誇りとが残るのだ。
王仁三郎はこの問答で大本事件を語ったのである。裁判長はさすがにうたれる
ものがあったとみえ、うーんと嘆声を漏らしたという。また、粛然とした空気が
法廷に流れ、敵味方の区別なく一同思わず襟を正したそうだ。さて、この虎穴
問答はもうひとつ深い意味をもっている。というのは、虎に身を与えた愛と
誇りの犠牲が、現実の事件全般の進行に一大転機をもたらしたからだ。奇跡的に
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06月24日(金)
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