ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[383125hit]

■5402,グローバリズムという病 ー②
           『グローバリズムという病』平川克美著
  * グローバリズムに対する純朴な問いかけ ーA
 この著書で取上げていた2012年のリオデジャネイロで「地球サミット2012」
でのウルグアイのムカヒ大統領の演説が世界に衝撃を与えた。『裸の王様』
の素朴な子供の問いのような内容が真実をついている。ネット検索で、その
全文を二回に分けて抜粋する。冷戦が終わり東西の壁が崩れ、地球環境が
大きく変化した上に、今度はアフリカ、中近東の壁が大きく崩れ、避難民が
大挙して欧州に流入を始った。気候変動で、アフリカ・中近東が干ばつになり、
水不足問題からくる貧困が間接原因。 〜全文を二回に分け紹介する!〜
≪ 質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車を
インド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。息するための酸素が
どれくらい残るのでしょうか。同じ質問を別の言い方ですると、
・西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70〜80億人ができるほどの
原料がこの地球にあるのでしょうか? 可能ですか? 
それとも別の議論をしなければならないのでしょうか?
・なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?
マーケットエコノミーの子供、資本主義の子供たち、即ち私たちが間違いなく
この無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。マーケット経済が
マーケット社会を造り、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで
原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか。
・私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?
あるいはグローバリゼーションが私たちをコントロールしている
のではないでしょうか?
・このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で「みんなの世界を
良くしていこう」というような共存共栄な議論はできるのでしょうか? 
どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか?
このようなことを言うのはこのイベントの重要性を批判するためのものでは
ありません。その逆です。我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機では
ありません、政治的な危機問題なのです。
・現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれて
いません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。
私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。
幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目前を
過ぎてしまいます。命より高価なものは存在しません。
・ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフ
スタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの
世界では私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。
消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの
前に現れるのです。このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、
できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ
電球を作れるのに、1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない
社会にいるのです! そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので
作ってはいけないのです。
・人がもっと働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければ
ならないのです。悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。これはまぎれ
無く政治問題ですし、この問題を別の解決の道に私たち首脳は世界を導か
なければなりません。石器時代に戻れとは言っていません。
マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。
私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。≫    〜つづく
ーー
▼誰もが素朴に思っている問題を、最貧民国の大統領がアッサリと、
「世界の後進国が先進国なったとしたら、地球環境が維持できるのですか?」
と言ってのけた。先日までパリで開かれていた(COP21)で、先進国と新興国の
すべてが参加する温室効果ガス排出量削減のための新たな枠組みである
「パリ協定」が採択されたが、近未来の大きな問題である。

[5]続きを読む

12月29日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る