ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5367,世間、社会、会社の意味とは ー②
ーなぜ日本人は「世間」を気にするのかー三浦朱門著
* 西欧生まれの「社会」と、日本の「世間」はどう違うのか
「社会」と、「世間」の違いは、日本社会と欧米社会の違いが起因する。
欧米社会は一神教のキリスト教などの上に成り立っており、日本の
「世間」は、多神教のような無宗教的要素が作り上げた自然成立した
人間関係から出発している。 〜その辺りから〜
≪・「社会」と「会社」の二つの単語の元になった英語の「ソサエティ」
と「カンパニー」は、単語の形こそ違え、その語源は大変似ているのです。
カンパニーの本来の意味は「つきあい」といったところでしょう。語源は
「カメラ」で、今の日本語では写真機の意味になりますが、古いイタリア語の
「部屋」の意味です。古い英語で、同じ船に乗りあわせている船員の集団も
カンパニーです。これは当人たちのありようとは別に、一緒に企業を作る、
船を運行する、といった人間関係です。ここでは個人が仲間を裏切って、
勝手な行動を取ることを許さない厳しさがあります。
・「ソサエティ」もこの単語の語源のラテン語で、「仲間」とか「同盟」
といった意味です。「カンパニー」と同じような意味ですが、この場合は、
個人差やあり方に幅を認めている感じがあります。たとえば「同盟休校」
というのは、一人一人の学生は専攻も思想も違うが、その違いを超えて
何らかの要求を掲げ、申し合わせて一斉に学校を休むことです。
英語の「ソサエティ」の訳語である「社会」の構成メンバーは、さまざまの
個人が所属していることを承認しているのです。社会学の原型となる思想に
よって、後世に影響を与えたオーギュスト・コント(フランスの社会学者、
哲学者、数学者。一七九八~一八五七)は十九世紀前半に活躍した学者です。
彼は当時のヨーロッパの無政府状態を眺め、それを再統一するために、
実証主義(実際の状況から、そこに原理を見出そうとする考え)によって
何らかの原理、一定のルールを見出そうとしました。
・実証主義は「ポジティヴィズム」と言いますが、ポジティブは「確かな」
というのが本来の意味です。よけいなことを書いたような気がします。
しかし、それというのも、新しい単語である「社会」と日本の古い言葉である
「世間」との間に、かなりの距離があることを言いたかったのです。
ですから「社会性がないぞ」と言われると、何言ってやがる、という気が
しても、「そんなこと、世間には通用しないぞ」と言われると、ふと、
たじろぐものがあるのではないでしょうか。人間の集まりを示す言葉には、
西欧の近代社会が規定した、現実の事物から導きだした具象的に説明できる
理論を根拠にした「社会」なるものと、日本の「世間」のような、人が生活
してゆくうえで自然発生的に生まれた対人関係を意識することの二種類が
あるように思えます。≫
▼ 一神教は、神と僕(しもべ)との契約がベースにある。そこは、
契約の原理が存在するのに対し、「世間」の世界は、曖昧な世界である。
だから曖昧な噂が、常に漂い、それに互いに怯えることになる。個々が
自立していることを前提にした社会に対し、曖昧な私の集まりの「世間」は、
不確かな事実の上で、ものごとが判断されている。そして「集団馬鹿」の
一員として、一生を終えていく。
・・・・・・
5002,閑話小題 ーつれづれに独り思うことー1
2014年11月24日(月)
* 早朝、独り思うこと
現在の毎日の課題は、「既に残された時間は少なくなった分、
生きる面白さを味い尽くさないと!」になる。
生きる面白さは充分に味わってきた。そして、あと何年、
生きるか分からないが、これからも、その余白に生きる面白さを
味わい付け加えることになる。生きる面白さには、味気ないことが
背後に膨大にあるが、それはそれで充分、価値があること。
暇もあってか、過去をジックリ思い出すことが多くなった。
その度に多くの現象を改めて多面的にみることができる。
面白かった!という記憶が、非常に多いが、知らぬ間に、
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11月24日(火)
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