ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[392286hit]

■4930,パワレルな知性 ー8
  * たけしの品格      『パワレルな知性』鷲田清一著
  北野たけしの品格について、が面白い! たけしは、「この男はダメ!」がキャラ。
人間はすべからく、ダメな人間だが、それを良い人間、有能な人間のコスプレをしているだけ。
コスプレが、コスプレを笑っているのが娑婆。 これが分かってないから、世の中、他人が、
歪んでみえる。
「歪んだのが歪んだのを歪んでいる」と今さら言うのが間違いの元。 「たけしは、それを剥いだ
有りのままを笑いで剥き出すことで、己の品格を表現している」は、褒めすぎ? ーその辺りからー
≪ 最後は言語学者らしくこう締める。 「『品格のある日本語』というのは、借り物ではなく、
 じぶんが一番よく知っている言葉で語られるものですよね。方言なんかはとても品格がある」。
つまり「品格」について語るその地声に言い及ぶところに、金田一の衿持が現われでているとおもう。
じぶんについて語る言葉が信用できるかどうかは、語られるじぶんに対してどれほどの距離が
とれているかにかかっている。「離見の見」などと高尚なことを言わなくてもよい。何かについて
語るとき、そのように語っているじぶんがどこから語りだしているのか、それについての明確な
意識をもっているかどうかに、その言葉の真はかかっている。何かについて語るとき、
いつもどこか断片的であって、語りつくさない。語りだすのは否応もなくつねに地上のどこか
からであって、語りつくすというのは、じぶんがこの地上のどこでもないある特権的な場所に
いると錯覚することである。 それこそ品格に欠けることである。
 これに対して、北野武は、品格から外れることに自己の品格を賭けるという、それこそ
綱渡りをしてきた。いきなり北野はいう。「どうしようもない人」、これがじぷんにとっての
最高の誉め言葉だと。「人から、『あこがられている』と言われると、失望させないように自らを
律したりするじゃない? そういうのが大嫌いで、頼むからあきらめてくれって。
『この人はだめだ』って言わせるためにわざわざ変なことをやる。『どうしてそういうことをするの』
って言われるのが一番好き」。北野もまた、この世の価値序列から外れるところに「品格」を見る。
「みんな社会的立場上、言えない部分があるけれど、俺の場合、お笑いというジャンルが
隠れみのになっていて、意外に好きなことを言っちゃっている」。
たしかに、「トツプには立ちたい」けれど、そしてそれは「すごく下品」なことだけれど、同時に、
「何をやっても勝てない相手がいる」ことは身に沁みている。だからちゃらんぽらんと見えるほど、
いろんなものに手を染めてきた…。 首尾一貫していないこと、立派な「先輩」と見られたらすぐに
それを裏切ること、つまりじぶんを模倣しないこと、そういう囚われのなさに肩肘張らない自由を見る。
ここにもなるほど、みずからへのクールな距たりがある。その距たりを構えずにほのめかして、
北野は最後にこうつぶやく。「いつも何か考えているけれど努力して考えているわけじゃない。
魚に『アンタ、いつも泳いで偉いね』とは言わないじゃない?」 じぶんが壊れる…。 
そういうあぶない場所にじぶんをもってゆきながら、かろうじて身を持す、ぎりぎりのところで
みずからを揺さぶることのない人に、「品」はぜったいに訪れない。… ≫
▼「まあ、お笑いの、たけし、だから!」という免罪符を取ってしまっているから、今さら誰も
非難できない。 こうなれば、好き放題、言い放題である。週刊誌も、『たけしに愛人!』など、
今さら誰も興味を示さない。昔の芸人は、こういう人が多かったというが・・・ 
いつも、あぶないところに、自分を置いてきたので、いやに、同感する。じぶんが壊れる直前に、
常に身を翻してきたが、実際のところ、既に壊れていたのでは?
〜ところで、三年前の一連のイベントからこの方、ギリギリ生きてこなかった人格に?
あまりに多く出会った!                   
・・・・・・
4563, 2050年の世界 ー5
2013年09月13日(金)

[5]続きを読む

09月13日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る