ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6082,閑話小題 〜恐ろしい身近な現実 〜7 ポチポチきたか…
    ーその辺りを抜粋してみるー
≪ 簡単にいうと人間、自分が思うほど完全な存在ではない。だが周囲の
 世界は人間が完全であるかのような前提で動いている。たとえば、社会は
数え切れないほどのパスワードを、暗証番号を覚えるよう要求する。ところが、
この種の情報の記憶を人間は苦手とする、あるテストでは、たった一週間で
三〇%の人がパスワードを忘れてしまったし、別のテストでは、三ヵ月後に
六五%以上の人がパスワードを忘れていた。人間が一度にできることの数は
ごく限られているのに、ふだんの生活でマルチタスク(複数の作業を同時に
こなすこと)が求められ、その限界が試される。そのうえ同時におこなうよう
求められることは、たいがい実行中のことと無関係。しかし一般に人間の
短期記憶は、五つ以上の無関係なことを一度には覚えられない。
たとえば愛車はあなたに、いくつのことを記憶するよう求めているだろう? 
車内にナビは搭載? 自動速度制御装置は?衝突防止装置はある? 死角警報
システムやリアビューカメラ、子ども用の娯楽システムは? MP3プレーヤー
や携帯電話は? いまや車内には運転者の気を散らし、それ自体が事故の原因
になりうる装置があふれている。だが事故が起きれば、責めを負うのは車
ではなく、あなたなのだ。自分が間違えるのを「間違った」もののせいにして
いたら、同じ過ちを繰り返すことになりかねない。原因をまちがえていては、
経験から学べることは少ない。とりわけ大きな不具合が生じた場合に、
責任の所在を追及するのは当然のことである。だがどこに誤りがあったか、
それをつきとめるのは容易なことではない。だから「あとバイアス」をする。≫
▼「あと講釈」の一つに、スポーツ解説がある。勝手に選手の失敗に対して、
 あたかも本当のようなウソをいう。聞いている方は素人を承知で、
「あとバイアス」の言いたい放題。気の毒なのは、選手で、それが恰も真実
として罷りとおる。批判される選手と監督は、結果責任を問われているから
何も反論できないことを充分に承知の上のため、言いたい放題。
しかし、「あとバイアス」を自分の思考や判断を狂わせてしまう。
現在の日本の政治の混迷も、これが大きな起因になっている。

11月07日(火)
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