ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6028,閑話小題 〜大相撲・炎上
《 テクノロジーが距離を葬った。通信費は限りなく無料に近づき、様々な
 ソフトウェアーでこれまで以上につながるようになり、‘どこにいるか’が
かってない程重要になる。》 これは10年前から現在に遡って言えること。
その何処かにいるのかさえ、重要で無くなる可能性がある。
大相撲やプロ野球の観戦も、現場より居間の大型TVの方が面白くなりつつある。
その意味でグーグルアースは、ますます重要な位置を占めてくる。
   ー第十九章のまとめーより
・『エコノミスト』誌編集主任だったフランセス・ケアンクロスは一九九七年
 に『距離の死』という本を書き、そのなかで通信費が技術革新で安くなり、
 距離は障害ではなくなると予言したが、二〇一一年現在の時点でそれは
 現実になりつつある。
・一九九七年には、アメリカと欧州の電話料金は、一分あたり平均で八一セント、
 二〇一一年には、スカイプを使えば2セントですむようになった。
・国際間のテレビ電話会議とも言える「テレプレゼンス」はすでに商業化
 されているが、今後はそれが家庭に安価に進出していくだろう。
・携帯電話に搭載されるさまざまなソフトで、距離はさまざまな分野で意味を
 なさなくなっている。テキストメッセージで現金を移動させるモバイルマネー
 もそのひとつ。 そういうサービスで最も成功した一例が、二〇〇七年に
 ケニアで始まったM-PESAだ。
〔 *(M-pesa、エムペサ)とは、ケニアにおいて人口の約3割(1,300万人)
 が登録 するほど普及しており、銀行口座を持たない貧困層の金融システム
 へのアクセスを可能 にしたとして名高いSafaricom社のモバイルバンキング〕
・典型的な発展途上国で百人あたりの携帯電話台数が一〇台増えれば、
 GDP成長率を○・八ポイント押し上げる効果がある。
・ウェブ空間上で、人の集えるソフトは、専制的な政府が集会の自由を圧迫
 しているときも、それを迂回できる道を提供した。
・距離が意味をなさなくなったことを利用し、各地域、各文化圏の労働力、
 技術力の特長を生かした国際分業がやりやすくなった。そのぶん、どこで何を
 する、という位置が重要になってきた。開発の得意なシリコンバレー、スペック
 をもとにプログラミングをするのが得意なインドのバンガロール、厳格な運用
 システムを創ることが得意なドイツ、といった具合である。
・常時接続の世界により人々は互いに話すことに興味を失ったように見える。
 市場調査会社二ールセンによると、アメリカでは携帯電話の加入者が自分の端末
 で話す時間は、二〇〇七年からの四年間で、一カ月あたり一〇〇分以上短縮され、
 七〇〇分になった。
▼ネット社会が世界を覆い尽くし、それが全てを変え始めているが、その行方は
誰も知る由がない。それが距離より、それぞれの立ち位置を重要にさせていく。
家族や隣人より、ネットで継った友人が優先されるネット社会が現にきている。 
そうこう考えると、「自分」「私」の哲学的問題も出てくる。  
「ネットで継った私は何者だろうか?」「ネット社会とは何?」

09月15日(金)
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