ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5553, 「要するに」「面倒くさい」「面白くない」「あとでしよ」」
勢いのある力強くエモーショナルな演奏スタイルが生まれてきた。これを白人
ウエスト・コースト派に対する黒人イースト・コースト派の巻き返しととらえ、
一連の傾向を「ハード・パップ」と呼ぶ。4ビートがより鮮明になり、アフター・
ピートも強調される。ハード・パップ・スタイルの特徴を一言でいえばこうなるで
あろうし、「ファンキー」とか「ソウル・ジャズ」と呼ばれることもあるが、
レッテル貼りはさておき、この時代に活躍したアーティストについて見ていこう。
一九五六年に有名な三つのアルバムがリリースされた。ソニー・ロリンズの
『サキソフォン.コロッサス』、 セロニアス・モンクの『ブリリアント.
コーナーズ』、チャールズ・ミンガスの『直立猿人』である。
ソニー.ロリンズ(一九二九〜)はチャーリー・パーカー亡きあと、即興演奏の
可能性をさらに押し広げたテナーサックス奏者である。
『サキソフォン・コロッサス』は日本のファンが「サキコロ」などと呼ぶ定盤中
の定盤。彼の演奏は、豪快でおおらかなトーンの中に時折ユーモアのセンスも
感じさせ、なによりもヒューマンな魅力に満ちあふれていた。
セロニアス・モンク(一九一七〜一九八二)は、ビバップ創始者の天才であるが、
孤高の道を歩む。マイルスとのレコーディングで大喧嘩をしたという逸話が
残っているほど、彼のピアノ・スタイルはずば抜けてユニークであった。
ソロ・アルバムが多いのはそのため。彼は私生活でも時折、意味不明のことを
口走るような変人といわれ、七〇年代はじめに 重病で倒れたあとは、二度と
世間にその姿を見せることはなかった。しかしモンクには好き嫌い抜きで
聴ける「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」「ストレート・ノー・チェイサー」
などの有名な曲もあり、その評価は後年に高まっていくことになる。
(字数制限のためカット 2012年5月29日)
05月29日(日)
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