ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5426,閑話小題 〜シネマ、『白鯨との闘い』が面白い!
今となって本当に良かったと思っている。ところが還暦を過ぎてから、
次の絶対言明が見つからないのである。しかし「死もまた愉し」の中の、
次の言葉が、 これからの私の指標に最適に思えたのである。
≪ 余生だから、とにかくあくせくしない。5年先、10年先まで考えて計画を
立てたりすると、どうしても張りきりすぎる。とりあえずは1年だけ考える。
あと1年だと思えば、その間の人生を目いっぱい生きることができる。
1年が無事に過ぎたら、よし、もう1年生きよう、と……。
新しい目標を定めてもいいし、前のつづきをやってもいい。また1年たったら、
つぎの1年を考える。こうすれば、1年ごとに新鮮な人生をくり返すことができる。
これはうぬぼれをなくすコツでもあるし、人生最後の志として大事なことでは
ないかと思うんです。 ≫
若い時に肺結核を患い、肋骨を12本も切るという大手術をうけ、長い療養生活
をおくった結城の人生は死と隣り合わせ。ーそのような境遇で、会得したことは、
【死を大袈裟に怖がるのではなく、生きている最後に来る愉しみと思えば、寧ろ、
日々の人生がずっと気楽なものになる】ということ。私には、どうも無理のよう
だが・・。彼は毎年、誕生日ごとに遺言書を書いていた。内容は毎年同じで、
原稿用紙。 「通夜、葬式、告別式、無用のこと」
結核療養所で石田波郷、福永武彦と出会ったことが、彼の生涯を決定付けた
・春惜しむ いのち惜しむ 酒惜しむ ・耀きて 驟雨に落つる 蝶見たり
・風船の まぎれむ雲も なかりけり ・緑陰に 置かれて空の 乳母車
・降る雪や 余生といふも やすからず ・來し方の見わたすかぎりおぼろかな
・花あんず 母と旅せし 記憶なく ・ぼうふらも 生きるいとなみ 死ぬなかれ
・ゆゑ知らぬ 疲れ金魚を 憎みけり ・秋風や 逢ひたきひとは みな故人
・いわし雲 どこへゆくにも 手ぶらにて ・夕虹や 夢はかなはぬ ままがよし
・いくたびも 死にそこなひし ゆかたかな
≪ 一句一句が、何とも格調高く、見にしみる ≫
01月23日(土)
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