ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■4930,パワレルな知性 ー8
まだ使われたことがなく、少なくとも私の知りあいに過去の例を覚えている者はひとりもいなかったのである。
私の構想では、中心人物は最低でもふたり必要だった。 女と男がひとりずつ、これは当然である。
では、このふたりをどうするか? 単純に、彼らは恋愛中という設定にして、その愛を表現してみるのか?
それだけを2~3百ページにわたって情熱的に語っていくのか? これをうまくやってのけることが想像できなかった
わけではない。 私が、本来の私とは違う作家になれば、それも可能だったろう。壮大な散文詩、淡々とした、
それでいて、たゆまぬ愛の賛歌というわけである。ただし作品自体がだれることなく飛翔しつづけるためには、
その勢いは単に力強いだけでなく、本質的に詩的でなければならない。そしてこの場合、私の勢いに力はあるが、
詩情はないとわかっていた。 この本の背後にある衝動は、何よりもまず心理的、感情的なものだった。
私が探していたのはリピドーのはけ口だったのである。それに、私にとって自然なはけ口とは、叙情的であるより
むしろ劇的であるべきだろうと感じてもいた。波乱に富んでいて、望むらくは力強いものでなければいけないのだと。 
しかし、だとすれば本のなかで何かたいへんなことが起こらなくてはならない。 そして、このたいへんなことが
本の内容に大きくかかわるのだとしたら、恋愛関係に影響を及ぼすものでなければならないだろう。 
さらに、それがささいなことでないとしたら、重要なことでなくてはなるまい。いずれにしても、劇的な効果を
あげるにはそうである必要がある。考えれば考えるほど主人公たちの恋路を邪魔するもの、なんらかの障害で
なければならないという思いが強くなっていった。いわゆる三角関係についても、思いつくかぎりの可能性を検討
してみた。だが、そのうちのどれかが読者の心をつかんだとしても、本来無条件であるはずの主感情に制限を設ける
ことになってしまう。それは避けたかったので、別の登場入物を巻きこまずとも、彼らの恋愛にとって大きな
現実の脅威となるものを考えてみた。浮かんできたのは、重大な病気や事故というアイデアだった。 》
 ーーー
ここで、著者は「相思相愛」の経験が無かったと正直に告白している。そのリピドーのはけ口を『ラブ・ストーリー』
にしたのだと。相思相愛?の恋愛結婚をした人は、そのまま、脚色をすれば小説になる。が、本当に面白いのは、
著者の方だろう。所詮は共同幻想、いや自己幻想、いや他幻想だから、『達成したことに何かを付け加えるより、
達成できなかった幻想の方が、むしろ新鮮味がある』と言える。 哲学人の書いた小説作用の切口もリアルである。
・・・・・・・・・
 2008年09月13日(土)
一昨日、「清水洋の経済セミナー・全3講ー有事に勝ち残る」を受講してきた。
4年前からのシリーズで、これで三回目である。30数名の参加者だが、行くたびに、講師の言うとおり、
経済が世界的にも国内的にも深刻度を増している。何時も暗い気持ちになって帰ってくる。 
 *印象に残っている順に書くと、
(字数制限のためカット 2014年9月13日)

09月13日(土)
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