ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6890,閑話小題 〜安楽死の選択 ―2
その経験主義的な七面鳥の世界観は感謝祭の前日に崩壊する。限定された経験
から安易に結論を導き出すことへの警鐘。たしかに、今回の金融危機で沢山の
七面鳥が悲鳴を上げたことは間違いない。≫
▼ 9・11、リーマンショック、3・11は、ブラック・スワンそのもの。
「まさか」の出来事で、起こって初めて気づくこと。これは、このような
歴史的大事件だけでなく、日常の中の出来事で多く見られる。 だから、
人生は面白く、刺激に満ちている。
―――――
2013/03/16
ブラック・スワン ー2
「ブラック・スワン ―不確実性とリスクの本質」
ナシーム・ニコラス・タレブ著
書店で数年前から何度か手に取ったが買わなかった。 が、衝撃的で、
世界の見方は一変しなくとも変わるはず。どうも、近くに数羽、来ているよう
だが、「何の化身」か今のところ分からない。人間など儚いものである。
ーまずは、アマゾンのないよう説明からー
■「ブラック・スワン(黒い白鳥)」とは何か?
むかし西洋では、白鳥と言えば白いものと決まっていた。そのことを疑う者
など一人もいなかった。ところがオーストラリア大陸の発見によって、かの地
には黒い白鳥がいることがわかった。 白鳥は白いという常識は、この新しい
発見によって覆ってしまった。「ブラック・スワン」とは、この逸話に由来する。
ほとんどありえない事象、 誰も予想しなかった事象の意味である。タレブに
よれば、「ブラック・スワン」には三つの特徴がある。一つは予測できないこと。
二つ目は非常に強いインパクトをもたらすこと。そして三つ目は、いったん
起きてしまうと、いかにもそれらしい説明がなされ、実際よりも偶然には見え
なくなったり、最初からわかっていたような気にさせられたりする。
■ 世界の見方を変える書
私たちは自分で思っているほど実際には物事をよくわかっていない、と著者
は言う。彼はそんな現象を長年研究してきた。 私たちはどうでもよくて取る
に足らないことにばかり気をとられてしまう。そして相変わらず重大な事件に
虚をつかれ、そんな事件が私たちの世界を形づくっていく。本書でタレブは、
私たちにはわかっていないとわかっていることのすべてを語る。
「ブラック・スワン」に立向かい、それを利用できる驚くほど簡単な方法を提示。
ーまずは、レビューよりー
≪ ブラック・スワンが象徴するのは、理論というものを「検証」することは
非常に難しく、「反証」することは非常にたやすい、ということ。我々は常に
ブラック・スワンを発見してからしか、ブラック・スワンを含む理論を作れない。
サブプライム問題に代表されるような、ファイナンス理論が想定していない事態
は、そもそも理論で管理することが不可能なこと!金融論や投資理論を少し
聞きかじると、リスク、期待値、確率、変動率などわかった気になる。
しかし、そうした業界で議論されているリスクとはカジノゲームと同じで計測
できるリスクに過ぎず、私たちが現実に直面する現実は、計測自体不可能な
不確実性の方が圧倒的に多い。そしてちょっと判った気になった程度が、実は
一番危険だと本書は教えてくれる。「黒い白鳥」とは極めて稀な出来事の象徴。
<一羽の黒い白鳥が舞い降りただけで、それまですべてのことが崩壊する>
しかも、世間は判りやすい講釈のついた黒い白鳥には過剰反応する一方で、
講釈になじまない黒い白鳥の存在可能性は無視される。それが重大な結果を
もたらすにも関わらずだ。毎日たんまり餌をもらって暮らしていた経験主義的な
七面鳥は「世界は気前よく餌をくれる人間でいっぱいだ」という世界観を抱く。
ただし、その経験主義的な七面鳥の世界観は感謝祭の前日に崩壊する。
限定された経験から安易に結論を導き出すことへの警鐘。たしかに、今回の
金融危機で沢山の七面鳥が悲鳴を上げたことは間違いない。≫
▼ 9・11、リーマンショック、東北地震3・11は、ブラック・スワンそのもの。
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01月25日(土)
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