ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6772,閑話小題 〜そんなまでして生きたいか ー2
当時は、やっとカラーテレビが普及し始めたばかりで、欧州の映像など殆んど
目にしたことはなかった。モナリザや、ミロのビーナス像、パリの凱旋門などは
中学か高校の教科書の小さな白黒の写真でしか目にしてなかった。それが突然、
目の前に本物が次々に現われるのだから、驚き唖然とするのは当然である。
 まず飛行機乗って、夕飯にヒレのステーキが出てきた。まだ憶えているが、
牛肉に細い糸が巻き付いていた。生まれてこのかたヒレステーキなど、食べた
ことはなかった。 そのためか、その味の美味しいこと。次に初めての海外に
降り立った地はデンマーク。そこは、私が今だ見たことがなかった明るい空と
緑の中に街がある御伽の国に思えた世界があった。人種が違うのである。
金髪の大柄な男女。空の色が違うのである。そして、林や森のグリーンが、
違うのである。考えてみたら、日本全国の自然さえ見てなかったのである。
それが、いきなりデンマークの空とグリーンと、北欧人を目の当たりにする
のだから。一挙に御伽の国の真っ只中に降り立った時の驚きは新鮮であった。
自分の精神を正常に保つだけで精一杯であった。当時、海外旅行に出る人は、
まだ20万人でしかなかった。現在の100分の一である。
 だから、出発前から気持ちが高揚していた。

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3446.秘・異郷の旅、よもやま話・・3
2010年09月01日(水)
   *初めての21歳の欧州旅行 ー2
 デンマークの初めての夜はレストランのバイキング料理である。
当時の日本にはセルフ形式は全くなかった。それより、自分が食べたいだけ
皿にとってよい、とうのが珍しく、不思議な感覚であった。
 そして、スウェーデン。夏のせいか、金髪の若い女性が裸足で、
超ミニスカートで、街を闊歩している。その美しさが街並みにマッチして
いるのに驚いた。 また郊外にある古城の絵に出てくるようは美しさ。
それと高台からみた高原の輝く景色。それが次々と続いて出てくるのである。
 そしてロンドンに。中学校の教科書の小さな写真でしか見たことのない
バッキンガム宮殿、ロンドン市内には、シルクハットをかぶって歩く風格ある
紳士。パブに入って飲んだビールの美味さ。重厚なパブの雰囲気も異次元世界へ
タイムスリップをしたような感覚であった。そこで仲間数人酔ってしまい、
子供時代以来、腹の底から笑った経験をしてみた。こんな楽しく高揚をした
ことは今だかってなかった。もう、その世界に入ってしまったのである。
これを何度か経験すると、チョッとしたキッカケで同じ気分になれる。
これが人生を楽しさの面で非常に豊かにした。元もと実家で商売をしていて、
年に一回、家族、従業員、取引先など5〜60人が、年末に飲めや歌えやの
ドンチャン騒ぎをしていた回路があったが、ロンドンで仲間と騒げば面白みが
格段と上がる。それで酒席が好きになり、ハメがきかなくなってなっていった?
 パリのシャンゼリゼ通りと、凱旋門、エッフェル塔。歴史的な積み重ねが、
そのまま、街並みに出ている。そのシャンゼリゼを、独りで歩いたことが
今でも記憶に鮮明に残っている。歩行者の、ほぼ全員が白人。
その中で、東洋人の自分に違和感を初めて覚えたということ。

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3447.秘・異郷の旅、よもやま話・・4
2010年09月02日(木)
  * 初めての21歳の欧州旅行 ー3
 初回の欧州旅行で、帰国して半年間は自失呆然状態であった。自分の心が粉々
に粉砕されてしまった。カルチャーショックである。今から思うと、これが
良かった。両親から受け継がれていた小さな世界の価値観が根こそぎ壊れた。
それと「自分は東洋の小さな島国・日本の黄色人種」という目線を得たこと。
これをキッカケとして、根こそぎ自分を変えなければ学生時代の4年の自由時間
を与えられた価値がないと気づいた。それと社会、世界は、不平等で格差である
こと。世界には豊かな人種と国家があり、反対に貧しい人種と国家が満ちている。
その中で生きていく自分を作る基礎を学生時代に培わなければと気づいたのである。

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09月29日(日)
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