ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6755,閑話小題 〜 幸せの始まりは
小唄なの。「かたりおこすよの」がわからなくて、ある国文学者に聞いたんです。
そうしたら「おこす」は、おこがましいの「おこ」で、「人が死んだあとに
皆な勝手、なことを言いやがるけど、死んだ人間にとってはバカみたいな話だ」
という意味なんだな。痛烈なニヒリズムですよ。信長は徹底したニヒリスト
だったんだね。偲ぶ会をやったり追悼記を出すなんていうのは、その信長の
小唄と同じことで、いまさら何を言ってるんだということですな。
佐々:でも、お別れ会さえやらないで、さよならも言わずに去っていくのもね。
石原:僕は敬愛した政治家はめったにいないんだけど、賀屋興宣という人には
 私淑したんです。無類の財政家で、日本で初めて統制経済をやった人です。
戦前に大蔵官僚から政治家になって、A級戦犯で服役したあと、政界に復帰。
晩年に賀屋邸へ行ったら、髪も真っ白になって、サンルームで瞑想されていた。
「先生、何をお考えですか?」と訊いたら「人間が死ぬというのはどんなことか。
興味があるので一生懸命考えている」。「それで、死ぬってどんなことですか?」
「いや〜死ぬというのはつまらないね。私はだんわかってきた。死んだら、
一人で暗い道を黙って歩いていくんですよ。そのうち、葬式で泣いて送って
くれた家族も私のことを忘れてしまって、世間も忘れる。第一、彼らも忘れなきゃ
やっていけませんからね。それだけじゃなしに、自分が自分を忘れちゃうんです。
来世なんかありませんよ、石原さん。だから死ぬのはつくづくつまらないですね」
と言って、小さく笑うんだよね。すごいニヒリズムだと思ったね。
この段になってくると、そんなことを思い出しますな。 ≫
▼ 佐々が入った、介護つき有料老人ホームに、石原が訪ねて行われた対談。
 自宅に近く、三食昼寝付きで、何でもやってくれるそうだ。中産階級?向けで、
商社の支店長とか、サラリーマン社長だった人や、旦那がいるが、面倒を見切れ
ない奥さんだけが入っているとか。リハビリは別だが、食費や光熱費を入れて
30万位という。「奥さんも一緒かと思ったが、少し費用が足りないのでやめた」
とか。最近、同年代のタレントが夫婦して入居したとかという話は聞いたが!
古希を過ぎると、どうも娑婆の景色が変わって見えてくる。
・・・・・・
6026,リベラリズムとは
2017年09月13日(水)
    * リベラリズムとは
 最近、いやにこの言葉を見かけたり、聞いたりする。
そのまま解釈すると「自由主義」になるが、欧米では、<富の再配分などを
通して経済的な弱者を救済し、福祉国家的政策を支持する立場>をいう。
自由主義を主張するロールズにとって、<ベンサムの功利主義の弱点を克服
するために、自分が男か女か、白人か有色人種か、健常者か否かなどが分から
ないことを前提とした「無知のヴェール」を皆なでかけた状態で、どのような
社会を作ればよいか考えるべき>と主張した。 
 その為にロールズは、3つの原理を導きださせると考えた。
・1つが、「基本的自由の原則」で、個人の自由は原則的に保証され。
・2つ目が、「機会均等の原則」で、公正な競争の機会は平等でなければとし、
・3つ目が、「競争による格差調整の原則」。これは、最も不遇な人々の生活
     が改善され、調整されなくてはならないとする原則。
自由主義とはいえ、再配分を前提としなくては、不平の充満が爆発を誘導する
からだ。これに批判を加えたのが、ノージックで、<税金を集めすぎて富を
政府が集中すると国家権力が肥大化してしまうと考えた。国家はあくまで、
暴力、窃盗、詐欺などの侵略行為を防ぐにとどまる最小国家であるべき>と。
この考え方は「リバタリアニズム(自由至上主義)」という。これに対して、
サンデルはリベラリズムをリバタリアンとは違ったカタチで否定、批判した
のが、「コミュニタリアズム」である。<自分のコミュニティの倫理や習慣を
重視して暮らすべし。個人のアイデンティティは育った環境や、共に歩んで
きた仲間と切り離して考えることはできない> と、考えるに至る。

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09月13日(金)
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