ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5577,突然、余命宣告を受けました ー⑥
【 ◎ 第一に、われわれは人間経験全体のなかに占める直接経験の比重が相対的
に低下し、それに代わって、マス・コミュニケーションの提供する情報を中心と
する間接経験の比重が飛躍的に増大したことに伴うさまざまなマイナスの副作用
について検討しておかねばならない。一般に情報量の増大といわれているものは、
人間経験との関連でみるならば、このように各個人の経験世界というものが、
ますます大きく他人の経験に依存するようになるということにほかならない。
マスコミを通じて与えられる間接経験の世界は、一方ではあまりにも混沌として
脈絡がなく精神分裂症の様相をすら呈している。他方でマスコミの提供する膨大
な情報によって見せつけられている世界の、安直なトータル・イメージは、
情報の質が悪いと現実世界とは似ても似つかない虚構の世界となる危険がある。
知力を高めるために作られたはずのマス・コミによって人間がだまされ、知力を
低下させられ、真実の視界が妨げられるという皮肉な現象が生ずる結果となる。
◎ 情報化の代償の第二は、情報過多に伴う各種の不適応症状の問題である。
高速度に流れる大量情報が、人間の脳の情報処理能力を大幅に上まわった場合、
人間はしばしば情報過多の神経症状に陥る。短絡型、自閉症型、分裂症型
という三つのタイプのものがある
◎ 情報化の代償は第三に、情報の同時性、一時性と関連している。
社会の変化のスピードが早くなると、人間と情報との関係が極めて一時的な
ものになってくる。このような現在(1975年当時)の情報環境の下では、
新奇な情報を極端に求める傾向が強まっている。膨大な現在進行型の情報の
氾濫なかで情報のライフ・サイクルは短縮化し情報は消耗品化し、情報使い
捨ての傾向が極端になってくる。大量高速情報から自己を防衛するひとつの
安易な適応方法は、忘れぽっくなること、つまり健忘症になることであり、
歴史的な連続性の感覚を喪失して刹那主義的な生き方を採用することである。
◎ 情報化の代償の第四は、以上のようなマイナスの副作用とも密接に結び
ついているところの、情報受信と発信との極端なアンバランス。
本来、人間の思考能力や創造性は受信と発信の反復を通じてはじめて
可能となるものであるのに、この思考のプロセスをじっくりと通過させない
ために、短絡型の、論理的思考力のない人間が量産されてくることにもなる。
◎ 情報化のマイナスの副作用は、第五に、マス・メディアによる異常情報、
粗悪情報の過度拡散傾向となって影響を与えている。情報化の代償、弊害に
ついて累々と述べているが、これは情報過多の問題なのか、質の悪い情報を
発信し、それも何も考えずに受信することの 問題なのか、それとも膨大な
粗悪情報がマス・メディアを媒介として流され続けることが問題なのか、
いろいろと考えさせられる。】
▼ 情報の洪水は、それに対処可能な人と、そうでない人との情報格差を
生み出している。それは脳力と貧富の差に直結することになる。それは劣化
だけでなく、悪用で社会をいとも簡単に騙せすことが可能になった。反面、
電子知能は飛躍的に進化している。世界中の身知らずの個々人がネットで
結ばれ知恵と情報の共有が可能になってきた。それは一時代前からみたら、
SFの世界の様相である。
・・・・・・・
3740, 閑話小題
2011年06月22日(水)
◆ 長寿の秘訣
先日のNHKで 腹7分目の猿と 腹いっぱい食わせた猿を20年実験した
映像があった。腹一杯の猿の半分が死んでいるのに対し、空腹の方の猿は八割が
生存するという。それにしても、隣り合わせの檻に入れられた二匹の猿の姿の差に
愕然としてしまった。全ての生き物に、ある遺伝子のスイッチがあり 飢餓状態の
方が健康にいいという内容であった。 101歳のアメリカ人男性は二十歳の頃
から食事制限していて外見は70〜80歳ぐらいに見えた。 小食粗食は、
身体に良いとは頭では知ってはいたが・・ TVでも、実際にモニターが数人、
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06月22日(水)
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