ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5576,突然、余命宣告を受けました ーD
増大、都市化、情報化の進展と教育の普及など高度現代文明が もたらした
恩恵それ自体が、このような精神状態を副作用として惹き起こしていたのである。
思考力、判断力の衰弱と幼稚化傾向は、 高度現代文明それ自体の産物である。
・・・インプットとアウトプットとを結びつける複雑な仕組みについて思考や
判断を働かせるのは馬鹿げてたことだ。そんなものはブラックボックス化
してしまえ、「賃金は大幅に上げろ、物価は大幅に下げろ」「税金は減らせ、
しかし 社会福祉は大幅に増やせ」こういう種類の要求を駄々っ子のように
叫びながら、この要求を実現するような便利なおもちゃを作れと言う。
そういうインプットとアウトプットとを結びつけるような調子のよいブラック
・ボックスは到底作製不能だと言っても、「そんなことを考えるのはわれわれ
の仕事ではない、われわれの仕事はとにかくボタンを押してこのおもちゃで
遊び続けることなのだ」と足をばたばたさえ、挙げ句の果てに癇癪を起こして
手当たり次第にまわりのおもちゃを放り投げ、ぶちこわし始めるという始末。
やがてかれらは群をなして群衆心理の陶酔を楽しみ始める。思考力、判断力
の全般的衰弱と幼稚化は、第二に情報化の代償、つまり マスコミの発達と
教育の普及の代償として生じている。エンゲル係数で現代の消費生活の構造を
知ることができないのと同様、文盲率の減少や進学率の増大などで現代文化の
内容を判断はできない。「学歴ある文盲とでも呼ぶべき現代人」のあいだに
見受けられる恐るべき知力の低下、倫理能力の喪失、判断力の全般的衰弱の
秘密が、いまこそ本格的に解明されなかればならないであろう。かっての時代
の農民、漁民あるいは職人たちは完全に自分自身の生活体験を通じてテスト
した知識の枠内で図式を作り、それでもって人生や世界を測っていた。
かれらの持っている知識や情報は確かに限定されたものであったかも知れないが、
しかし少なくともかれらの生きている生活空間に関しては現代人の到底及び
得ない賢明さと生活の知恵を持っていた。それに引きかえ、現代人は自分の
直接体験をしっかりと見つめる時間を失い、自分の頭でものを考えることを
停止したまま中途半端で、皮相な知識の受け売りで世界中のできごとに
偉そうに口をはさんでいらいらと生きているのである。こうした思考力、
判断力の衰弱がもたらした品質の悪い情報は、我々の情報環境に満ちあふれ、
恐るべき情報汚染を惹き起している。 情報汚染の濃厚凝縮を受けた人間は
やがて幼稚な狂信者となり、暗殺をしたり、ハイジャックをしたりする犯罪者
と化していく。われわれはこうした現代文明にひそむ恐るべき幼稚化と野蛮化
のメカニズムを直視し、これを克服するための新しい努力を全力を挙げて
開始せねばならない。マスコミの発達と教育の普及の代償として捉えている
点が、すばらしくもある。少なくとも教育の普及があれば、思考力、判断力
の全般的衰弱と幼稚化を回避できると思ったが、そうでなかった。≫
▼ 当時書かれた、この警告は、さらに深刻な社会現象になって現れ出ている。
国家収入の二倍の国家予算を組んでも国民の要求を答えざるを得ないのが現状
の日本。国家そのものが判断も決断も出来ない幼児化をしている。
情報化の影の部分である
・・・・・・・
3739, 自分の居場所のみつけかた ー�
2011年06月21日(火)
* 愛は根っこ、その愛をふくらませるのが知性 ーP・150
「自分の居場所のみつけかた」 ー 斉藤学著
【 私たちは通り過ぎる人々の群の中に自分の居場所を見ることはできません。
その中の何者かと出会い、互いに相手に飼いならされ、相手を飼いならし、
それによっで、その関係の中に居場所を見つけるのです。本来、知性という
ものは優しさを増す効用があるものだと思います。他の民族、年齢や性別の
差など、自分と違う立場というものを理解し行くのには知性が必要です。
けれど、それは根っこにちゃんと優しさがあればこそです。その優しさが、
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06月21日(火)
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