ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6085,閑話小題 〜倒産無常
あるいは営業マンなら、取引先のキーパーソンを見極め、そこにしっかり食い
込み、人脈を広げていく。いずれにせよ、そうした人を見る眼力があれば、
女のたくらみも見通してしまうだろう。それにしても、相談者の考えは浅いな。
だってそうだろう。日本の大企業の中で課長になり部長になり、ついには役員
になったとして、どれほどの生活ができるというんだ。第一、子供はどうする。
子供が二人もできたら、優雅にお買い物にラソチになんていっていられなくなる。
しかも、教育に金がかかる。こういう相談者だから、子供に有名幼稚園や小学校
をお受験させるつもりだろう。そのうえで、有閑マダムよろしくブランド品の
ショッピングに精を出し、高級レストランでランチ三昧なんてことをしようと
したら、数千万円の可処分所得が必要になる。ということは旦那は税込みで
一億円近く稼がなくてはならず、サラリーマンには到底無理な話だ。
・アソシエ:以前、本物の江戸前寿司を体験しようというイベントで週末の
昼に読者に集まってもらい、銀座の超有名店に行きました。我々はテーブル席
で四千円弱の『お決まり』をいただいたんですが、そのときに、カウンター席で
たぶん母と娘だと思いますが、五十代と思しき女性と女子大生っぽい二人連れが
「おまかせ」で食べていたんですよ。おまかせだとお酒抜きでも一人三万円は
する店で、明らかに常連客の様子から、そのあとは芝居見物でしょうか。
こういう人たちって本当にいるんだなと感心したのを思い出しました。
たしかに旦那が一憶稼がないと、あんな生活は無理でしょうね。
・シマジ: 俺が「週刊プレイボーイ」の編集長をしていたころだから、
二十五年以上前の話になるが、俺の秘書兼事務を務める二十代の可愛い
女の子が「今、若い女性の憧れの結婚生活は、広尾のマンションに住み、
乳母車を押して有栖川公園を散歩し、明治屋で買い物する`ことです」と
いっていた。要する相談者のメンタリティは四半世紀前のOLと変わり
ないということだな。≫
▼ 以前書いた、蛙に取りき栄養分を吸取る昆虫の「タガメ」の典型。
この女性、銀座でランチなど千円前後で可能で、ウインドウ・ショッピング
ならタダというのを知ってか知らずか。しかし、多からずの女性が持っている
本音である。この御時勢、一千万もあれば上クラス。「おまかせ」だろうが、
「お決まり」だろうが、大して変わりはしない。要するに、それはそれ。
確かに、旦那の稼ぎで妻の生活は変わってくる。収入が多ければ、子供を有名
私立に入学可能である。それもこれも、持って生まれた器量で決まってくる。
妄想を凝視し、己を振返えれば、「つりあい」からして、その男が適当では。
・・・・・・
4988,暴走する世間 −4
2014年11月10日(月)
「暴走する「世間」―世間のオキテを解析する」佐藤 直樹(著)
* 『プチ世間』 ー小さな大人の世界の誕生
30年前、息子を見て時代が大きく変わったと思ったが、スマートフォンが
普及した現在、更に子供が大きく変り、私たちとは断絶した別生命という感がする。
考えてみれば、私より50〜60年も長生きをするのだから、違って当然。
ーその辺りからー
≪ 日本では、一九八○年代にはじまり、九〇年代以降本格的に「小さな大人」
が登場した。問題なのは、子どもが市場経済に巻きこまれ、子どもが大人と
ほとんど同じ消費生活をするようになって、子どももまた大人と同様の「世間」
に生きることになったことである。つまりそれまでは、子どもには子どもの
世界があり、それは大人の「世間」とは相対的に独自の世界であった。
しかし子どもが「小さな大人」になることによって、子どもの世界も大人の
世界と地続きになり、子どもも小さな「世間」として「プチ世間」に生きる
ことになった。要するに子どもも、「世間」に生きる大人と同じような困難な
問題に直面することになった。
一九八○年代以降大きく変化したことといえば、子どもが「小さな大人」
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11月10日(金)
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