ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[383688hit]

■5677、NHKスペシャル 自動運転 A
もはや公的資金注入は不可避とする。
・水野和夫の推計によれぱ、米国の実質的な住宅価格はさらに34%は下落する。
住宅ローン残高よりも安くなると金融資産を持たない多くの家計で差額が不良
債権となってしまう。その紛額を大手金融機関の自己資本に匹敵する1・27兆弗
と見積もれは、現在4千億Fルの処理進捗率はいまだ31%にすぎない。
これからが危機の本番ということになる。公的資金の注入は避けられず、
しかしその原資を調達しようにも増税は無理だから、国債を外国人、なかでも
中東諸国や最大の貿易黒字国である中国に買ってもらうしかない。
しかし国債に償還のあてがないとみなされれは、国際通貨としてのドル離れ
さえ起きる可能性がある、と言う。 
・さらに野ロ悠紀雄は、こうしたドル危機の「原因」はサブプライムショック
であるかに見えるが、それはむしろ「結果」で真因はGDP(国内総生産)の5〜6%に
膨れあがった米国の経常収支の赤字にあるとする。物価および利子率の差が
日米間で3%あり、両国間で同一財価格が同一に、どちらの通貨で運用しても
利回りが同じになるには、ドルが円に対し毎年3%減価(円高)しなけれはならない。
ではなぜ経常収支赤字が減らなかったのか。それは円安を持続させ対米輸出を
維持するために日本が資本提供をしたからで、しかしドルがードル70円程度まで
低下する圧力はかかっていたから、いずれ何かのきっかけに解消されたはずだ
と推測する。
  −−−
 評)
 アメリカ金融危機に対する多くの本が並んでいるが、
今年に入り、その最右翼の悲観論者のいう通りになってきた。ここでは最右翼
の本は扱ってなかったため、迫力に欠けた内容になってしまった。学者タイプの
人のためか生々しさにかける。初め取り上げている北野一は甘いのか、もし恐慌
になっても、それさえ乗り越える国力がアメリカには有ると言うのか?
現在のアメリカの財政の破綻は明らかだが、資源・宇宙工学・軍事・情報関連も
含めた国力の蓄積で立ち直りは早い、というのだろうか?野口悠紀雄の間接原因は
財政赤字というのも、納得できる。このところ悲観論者の本を何冊も読んでいる
ので少し冷静になることも必要だろう。ところで昨日のマスコミは一切アメリカの
金融危機のことを扱ってなかった。これも驚き。問題はあまりに深刻で恐慌を
煽り立てることも出来ないのか、日本のマスコミが呆けているだけなのか。
もう火がついてしまったことは間違いない。
 

・・・・・
2734, 米国金融恐慌の深層 −2
2008年09月29日(月)
前回につづき朝日新聞「論壇時評」の社会経済学者・松原隆一郎氏の論評
《金融危機の深層》を考えてみる。 まずは、続きの部分から
 ーーー
 日本が経常収支黒字で米国債を購入、米国から流出したドルを還流させる
「新・帝国循環」を支えたと喝破したのは 吉川元忠の「マネー敗戦」だが、
サププライムショックがついにその矛盾を爆破したというわけだ。
円高は当然、輸出頼みの日本を不況に陥れる。楽観論から悲観論に至る
この違いを、どう理解すべきか。 それは、資産の流動性(他者に受け取って
もらえる可能性)を信じるか否かによっている。楽観論も帝国循環も、国際通貨
としてのドルの流動性に対する信頼の上に成り立っている。
またサププライムローンが安全な資産と信じられたとき、複雑に組み合わせて
証券化がなされ、世界に受容された。ところが暗転して安全性に対する不安が
広まると流動性は低下した。それが信用不安からドルに対する信認の低下に
及んだのが、今回の危機である。 問題は、資金や貨幣の流動性に対する信頼が、
何らかの確固とした根拠にもとづくものではない点だ。
 バブルは資産に対する強気の集団心理が引き起こし、不況は不安に起因する。
 どう対処すれぱ人々の信頼が回復されるのか、断言できないのである。
   * 処方箋、どれも不完全*
 危機への処方鰍としてJ・E・スティグリッツは、銀行経営者の個人的報酬と
社会的影響に均衡を図る政策の必要を挙げている。 金子勝はより具体的に

[5]続きを読む

09月30日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る