ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6070,閑話小題 〜割合で理解する法則 〜3
 これらは人間の”日常生活”を”粉砕” してしまう”人間の運命”と 
されるもの。これは、人間の力、科学の力で克服できない状況。
 ”限界状況”の典型例が”自己の死”である。
ヤスパースは、「人間は普段、”気晴らしなどにふける”ことによって、
すでに”限界状況”の内にあることを 忘れてしまっている・・」とした。
 人間は、その”現実”を”自覚”すると自分自身の“挫折”と”限界”を悟る。
そして なぜ人間には”限界”があるのか?・・ 等々、深く考えることになる。 
また、この状況を”誰にも頼れない”・・と自覚することになり、
それまで感じたことのない”孤独”と”絶望”に 陥る。
 そして、「人間とは 極めて”弱い存在”」と 自覚することになり、
そこで、「人間を”超えたもの”が存在するのではないか?」と考え始める。
それを”包越者”または”超越者”という表現で 表わそうする。
そして、「人間は、その”超越者”と”交わる”ことで「真実の生き方」
である”実存”に 目覚めてゆく」と主張した。 
さらに”交わる”とは”自己開示”を意味しており、各人が自分自身に、
”閉じこもる”ことなく”他者”へと向かい自己自身の存在に対する意識を 
”反省するべき”とも 説いた。 最終的には・・・
”超越的存在”に面することにより、自らの有限的な存在が”反省”させられ
その”超越的存在”に面している自己自身という自分の存在の”確信”が 
得られる。これを ヤスパースは”絶対的意識”と説いたのです。≫

▼ 「業火に焼かれる」とは、よくいったもの。まさに、限界状況の中で
 味わう苦悩。この苦悩を経て、絶対的意識に到達できる。弱い人間には
宗教が必要になる。死を前にして強い人間なぞは存在しない。人間の原罪を
それぞれが真正面から見つめること、そう、「正 中心 一点 無」で、
見続けることが、業火を少しでも和らげてくれる。人生には、四苦八苦、
四楽八楽、感動、感激、至高体験、激怒、業火の雨など、いろいろある。 
 どこ吹く風の少々の天然?が、現に存在している! 自分も?

・・・・・・
5338,構造主義とポスト構造主義 〜�
2015年10月26日(月)
   * 構造主義とは    〜『世界の哲学・思想』小須田健著
 19C末に亡くなったニーチェの思索が「現代哲学」の土台になっている。
第二次大戦後、サルトルとともに広まっていった実存哲学は哲学を超えた
流行現象になった。レヴィ・ストロースが文化人類学の領域から構造主義を
提起した。これは西洋哲学を根底から揺るがすものだった。社会学を学ぶもの
にとっては、構造主義とポスト構造主義を明確に把握する必要があるため、
ここで取り上げることにした。考えてみれば、社会学とは社会構造と、構成
要素の人間を解明すること。 〜その辺りから〜
≪ 私たちは、自分の意思を伝えるのに日本語という言語を用います。
 言語には特有の文法構造があり、それに即して話さないと何も伝えられない。
つまり私たちは、日本語という言語の構造によってしゃべらされているのです。
初めて英語を学んだとき、兄も弟も「ブラザー」の一語で済ますとは、何と
おおざっぱな言語だと思いませんでしたか? これは、英語が他人をまず同胞
(家族)かどうかという観点で捉えるのに対して、日本語は目上か目下かという
観点を重視するという違いを反映しているのです。 つまり言語が異なれば、
社会構造も異なるのです。 今でこそ私たちは、時代や文化が違えば見方も
異なることを当然だと思っています。しかし、その態度は学生紛争のころなら
日和見だと自己批判を迫られたでしょうし、戦前の日本なら天皇をないがしろ
にする非国民だと弾劾されたかもしれません。このように自分の生きる時代の
価値観としての諸構造からは誰も自由になれないことを教えてくれたのが
「構造主義」です。構造主義は、フランスで生まれた20世紀後半を代表する
思想的潮流です。この思想は当初から、狭義の哲学とは無縁な様々な学問が
集まって展開された点に、大きな特徴があります。

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10月26日(木)
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