ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5990,5991閑話小題 〜最後の講義・10(11) ー石黒浩:対談
〜その辺りから〜
―対話のつくり込みが肝心―
・石黒 売り子がロボットが人間に代わって販売業務をする際、僕は「対話戦略」
がすべてだと思っています。大阪燗屋の紳士服売り場に設置した「ミナミ
ちゃん」の場合、実際に購入してもらうことにこだわりました。燗屋で一番
売り上げがある販売員を数ヶ月かけて観察し、彼女の対話戦略を組み込んだ。
数日間のイベントとして非日常的な存在のロボットに関心が向けられるでしょうが、
これまでの実験結果、イベント性効果の持続はせいぜい3日間だとわかっています。
ロボットが人間に代わるためには、ちゃんと対話を通じて人間を説得できるよう
にしなくては。年齢、性別、性格、売り場の状況、全部想定して対話の中身を
デザインできたらいいですね。男女も「ケチ」「見栄っ張り」といったタイプ別
に場合分けして、それらの相性まで考えると、どちら側を説得すれば買ってくれる
のかなど、説得の仕方が全部変わるんですよ。
――
―ストーリーを伝える存在―
・稲川 ミナミちゃんと違って、今回の実証実験で3台のロボットを
使いました。この台数は適正だったと思われますか。
・石黒 男女が相談する意思決定ですし、悪くなかったと思いますよ。ただ、
3台の関係性は複雑なので、対話の構造に気づく必要が出てきます。
私たちの研究室では複数台のロボットを使って様々な実験を行っているので、
共同研究をしていただければ、対話戦略をいくらでも教えられます(笑)。
少しだけヒントを教えると「人はなんのために対話するのか」を考えればいい。
簡単に言えば、自分の中にないストーリーを取り込んで、共感し、自分の想像の
世界を膨らませることにあるんですよね。ただ、取り込むときに納得できないこと、
共感できないこともあるわけです。共感しやすくするため、男性役、女性役の
ロボットをいかに使うかという枠組みを考えればいい。人はそこに冷静な観察者
として引き込まれていくはずです。
――
ーロボットとの信頼感のある対話―
・石黒 婚約指輪に関しては、男女の間で意思決定するバランスだから良かった
と思いますよ。それが、例えば「1人の男性を説得する」といったケースでは、
女性がいたらダメなんです。すべての対話で、パターンを変えないといけません。
よく私たちが設定するのは、1対1で人間同士で対話するとき、ロボットを
「陪席者」として隣に置くというシチュエーションです。
昔は医者の横に「大丈夫よ」「そうよ」なんて言う役割の看護婦がいましたが、
それに代わるものです。最近は人手が減って医者とマンツーマンで喋らなくては
いけないでしょう。あれって結構、緊張しませんか?
・稲川 確かにそうですね。
・石黒 あくまで主役は医者と患者の対話ですが、横に置いたロボットが相槌を
打ち、ときどき代わりにロボットは先生と喋るわけです。患者はそれを横で
見ている。すると意思決定がすごく楽になるんですよ。1人で意思決定しなくても
いいと感じるので。東大病院と阪大病院の外来で臨床実験をしたときは、実際に
アンドロイドを医者の横に置くと、患者の理解度が有意に上がることが示された。
――――
▼ 一強のベストのソフトを、多弱の人達のソフトに入替えれば、それだけ社会
が進化することになるが、実態は、そうはならないことを歴史が示している。
<「人はなんのために対話するのか」と言えば、「自分の中にないストーリーを
取り込んで、共感し、自分の想像の世界を膨らませることにある」と述べている。
この随想日記は、読書や、ネット、TV、実体験などから得た知識、経験をテーマ
にして物語化して、将来の自分や、読み手に伝えることが目的。受け取る読み手
は、様ざまな解釈をして…?? まあ、読まれないより、批判するより、遥かに
面白いこと上なしを実感しているため、「そのまま、結構」になる。
5625,人生を幸福で満たす20の方法 〜D
2016年08月09日(火)
<人生を幸福で満たす20の方法>三宮 麻由子(著)
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08月09日(水)
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