ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5742,つれづれに哲学 〜嘆きの谷
 成功するという保証があれば挑戦する。しかし失敗が少しでも予想され、
 成功することが確信できなければ最初から挑戦しようとしないか、失敗しても
 そのことによって致命的な打撃を受けることがないように、いわば綱渡りをする
 人が転落することを予想して下にあらかじめ網を張っておくようなことをする。
 症状はこのような目的のために創り出される。
・人生の課題を前にして敗北を恐れる人は、課題に挑戦することを回避する
 ために時に神経症になって、「足踏みしたい(時間を止めたい)」と思う、
 とアドラーはいう(『人はなぜ神経症になるのか』)。
――
▼ 上記の「カッサドラの叫び」しか上げない人に、マイナーな視点の話題を
 ふると、大きく首を振り、どんどん話が進む。何処にも、『内幕情報屋』が
存在して、ネタを探し出して人の懐に飛び込む。それが、万引き、置き引きと、
同じくらい、いや、それ以上の犯罪行為でしかないことを知らない。で、その
毒は、喜んで聞いてしまう方にも、同様に罪になる。誰もが持っている要素
だから始末が悪い。

・・・・・・
5377,武器としての決断思考 ーB
2015年12月04日(金)
        ー武器としての決断思考〜 瀧本 哲史 (著)ー
 『学問のすすめ』が、明冶5年の3000万人の人口の中で、300万冊の大ベスト
セラーだったというから、当時の民度が高かったことが窺い知ることができる。
明治初期の日本で、欧米のバイブルみたいに読まれていたことになる。
今の人口比からすると1200万冊。明治以来、日本は果して進化したのか。
現在の日本人の多くは、これだけ読む知性も、教養もない。 明治以来、
日本は果して進化したのだろうか。国敗れて教養なし! 何かが失われた!
  * 『学問のすすめ』は、いま、若い世代こそ読むべきだ
≪ 変化が激しい今の時代、これまでの価値観や方法・人生のレールという
ものは、意味をなさなくなってきているということです。京大医学部生の話は、
その顕著な一例にすぎません。右肩上がりの「幸福な時代」は過ぎ去りました。
良い大学、良い会社に入れば人生は安泰、みたいなことはもうないのです。
 さらに断言すれば、これからの日本はもっともっと厳しい状況になっていく。
良い時代を経験して「逃げ切り」ができる世代であれば、昔はよかったとただ
嘆いていればいいのでしょうが、これから社会に出る世代、もしくはこれから
社会のメインステージに立つ世代にとってみれば、問題は深刻です。
 では、どうすればいいのか? ここで、リベラルアーツの話に戻ります。
人間を自由にする学問がリベラルア↓だという話をしましたが、まさにいま、
それが求められているのです。
 医者の話が良い例ですが、国家試験に合格しただけでは、これからの時代は
生き残れないし、幸せになることもできません。むしろ奴隷として、上の世代が
作ったシステムにからめとられる可能性が高い。それも自分が気づかないうちに。
 だから教養が必要です。自由になるために。自分の力で幸せになるために。
といってもそれは、大学生がパンキョーと呼んでいるものとは違います。
極端に言ってしまえば、大学の教養課程で教えている一般教養は、大学教授を
食わせるためのものでしかなく、本来の意味での「リベラルアーツ」とほど遠い。
 もっと実践的で、実用的な知でなければならない。
ここで、福沢諭吉が著した『学問のすすめ』から一節を引用してみましょう。
まさに私が言いたいことを代弁してくれています。 
 《学問というのは、ただ難しい字を知って、わかりにくい昔の文章を読み、
また和歌を楽しみ、詩を作る、といったような世の中での実用性のない学問を
言っているのではない。(中略)いま、こうした実用性のない学問はとりあえず
後回しにして、一生懸命にやるべきは、普通の生活に役に立つ実学である》
(引用『現代語訳学問のすすめ』齋藤孝訳/ちくま新書)
 『学問のすすめ』が刊行されたのは明治5年。新しい時代の幕開けに、明治人

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12月04日(日)
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