ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■4924,パワレルな知性 ー2
携帯でダウンロードした音楽は聴ける。そうなると若者は伝統音楽ではなく、 ロックを携帯で
聴くようになる。文明人に近いほうがステータスが高いと思うと伝統音楽に目を向けなくなり、
どんどん文化が変わっていく。アマゾンの奥地でさえそうなるのですよ。」
たけし〕 あっという間の変化ですね。
関野〕 ここ数年、フィリピン、マレーシア、インドネシアの海域で淘賊がいっばい出る
ところがあるんですけど、 そこにパジョという家船生活をしている漁民がいるんです。
たけし〕 確か百万人ぐらいいるとか。
関野〕それは海岸縁に杭を打ち込んで家屋をつくって住んでいる人たちも含めての数字です。
わずかに家船で陸に家を持たない人たちがいて、その人たちのところに僕は「泊めてください」
と言って、一緒に暮らしていた。ちょうど僕が訪ねた頃に彼らの生活にも携帯電話が入ってきたんです。
たけし〕 2004年から、日本人の祖先が日本列島に到達するルートを辿る「新グレートジャーニー」
(〜2011年)を始めていますが、それに挑戦していた時のことですね。
関野〕 はい。南方から船で海上を渡ってきた日本人の祖先のルートを辿ろうとしたんです。
風の関係で航海で暫なくなると、パジョの人たちのところに通っていました。彼らにとっても
携帯はすごい役に立っている。 家船が十数隻あって、夜は集まってくるんですが、昼間は別々に
魚を穫りに行ったりして行動している。その時に、海賊がいるかいないか、携帯があれば安全か
どうか確認できたりするわけです。
たけし〕 海の上で電波が届くわけですか。
関野〕 沿岸から五キロまではアンテナがあれば届きます。
たけし〕海の漂流民がそうならば、砂漠のペドウィンはどうなんだろうね。】
▼ これは、僻地だけでない。都会の社会的弱者にも携帯が普及。弱者が結びつけば、強者に変身する。
中国など多くの社会的矛盾を抱えた国家は、ある日突然、この矛盾への暴発が起こることになる。
そこにパソコン機能が入ったスマートフォンの普及は、世界を根底から変えようとしている。
貧富の格差は、情報の格差から生じるが、それが均質化されていくとしたら、格差は一部を除いて
是正されていく。ただし、それは世界平準に近づくため、G8は、G20の国々の平均値に、
G20は、世界200ヶ国の平均レベルになっていく。日本にとって、それは貧乏への茨道!
・・・・・・・
4182, 呪いの時代 ー2
2012年09月07日(金)
「呪いの時代」内田樹著
呪いに対する言葉は祝福である。含めて世の中が右上がりの時は、何事もハッピー。
しかし、世の中全体が右下がりになり、暗い世相の中では一部の勝ち組を傍で祝福する人は少ない。
羨望と嫉妬が、そこに生じてくる。特にこの情報化で、そのの事態が生で伝わるから呪いが社会全体を覆ってくる。
その中でハッピーにいるには、「にもかかわらず祝う」しかない。現に生きている、そのことを祝う諦念である。
最後は生きている感謝しかないのである。今さら世を呪っても致し方がない。
* 「このようなもの」でしかない自己の承認 ー 第2章 「祝福」の言葉について ーより
≪「生身の、具体的な生活のうちに捉えられた、あまりパッとしないこの「正味の自分」をこそ、真の主体として
あくまで維持することです。「このようなもの」であり、「このようなものでしかない」自分を受け入れ、承認し、
けなげに生きている姿を可憐と思い、一掬の涙をそそぐこと。それが「祝福する」ということの本義だと思います。
呪いを解除する方法は祝福しかありません。自分の弱さや愚かさや邪悪さを含めて、自分を受け容れ、自分をだきしめ、
自分を愛すること。多くの人が誤解していることですが、私たちの時代にこれほど攻撃的なふるまいが増えたのは、
人々が「自分をあまりに愛している」からではありません。逆です。自分を愛することがどういうことかを
忘れてしまったせいです。私たちはまず「自分を愛する」というのがどういうことかを思い出すことから、
もう一度始めるしかないと思います。≫
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09月07日(日)
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