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by DIARY
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■口腔がん−4 抗がん剤・放射線で温存
読売新聞医療ルネサンスから・・・

 口腔がんが進行しても切除しないで、温存の可能性を探ることもできる。

東京都内の女性(73)は2016年の春頃、舌の左側にブツブツした小さな腫れ物ができた。
痛みはなく、自然に治ると考えていた。
ところが約4か月後、痛みはないものの、舌のただれがひどくなり、話をすることも難しくなった。
慌てて近くの大学病院を受診すると、舌がんと診断された。

舌がんは、口腔がんの半数以上を占め、年間4000人以上が発病するとされる。
発見が早期であれば、手術で一部を切除するだけで済む。
進行した場合は、切除する範囲が大きくなり、舌の機能を維持することも難しい。
腕やももの皮膚や筋肉などを使う再建術を並行して行う。

女性のがんは進行しており、舌のほぼ全てを切除しなければならない状態だった。
そんな中、同じ年の10月に訪れた横浜市立大病院で、口腔外科教授の光藤健司さんから「動注化学放射線療法」を提案された。

がん細胞には血管から栄養が運ばれているが、耳の脇の動脈から入れたカテーテル(管)を通じて抗がん剤を注入。
放射線治療も併用し、がんを小さくすることで温存を目指す治療だ。

同病院では06〜15年、舌がん患者118人に対し、この治療を実施した。
その結果、再発・転移を3年間抑えた割合は80%で、3年生存率は82%だった。

女性は11月上旬から約2か月間、がんの患部に抗がん剤をカテーテルで注入した。
並行して行った放射線照射も計35回に上った。
現在、がんは画像検査で確認できないほど小さい。

点滴で全身に抗がん剤を行き渡らせる通常の方法と比べ、全身の倦怠けんたい感や吐き気、脱毛といった副作用は少ない。
ただ、動注化学放射線療法の場合、ほとんどの患者が口内炎を発症し、食事が取れなくなることがある。
ひどい口内炎に悩まされた女性は、チューブで胃に栄養を直接入れる「胃ろう」をつけた。

治療の副作用である口内炎は3か月で消えた。
舌は温存されたが、機能の全てが残ったわけではない。
熱い物は食べづらく、舌を巻いて発音する「ラ行」も言いにくくなった。
現在はスポーツクラブに毎日通うほど元気に過ごす。
女性は「一時は死も覚悟した。今は感謝しかない」と話す。

動注化学放射線療法は公的医療保険の対象となっているものの、治療技術やカテーテル管理の難しさなどから、この治療が受けられる医療機関はまだ限られている。

光藤さんは「進行がんでも大幅に切除するのを避けたい時は、治療の選択肢の一つになり得るのではないか」と話している。
04月28日(火)
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