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On the Production
by 井口健二
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■チェコ映画傑作選(一口のパン/夜のダイヤ、第五の騎士、火葬人)、炎かがよへ、幕末ヒポクラテスたち、OCHI!-オチ-、四月の余白
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『一口のパン』“Sousto”
『夜のダイヤモンド』“Démanty noci”
1960年代にチェコ・ヌーヴェルヴァーグと呼ばれた作品群の
旗手ともされた監督ヤン・ニェメツが、1960年に芸術アカデ
ミーの卒業制作で発表した11分の作品と、1964年発表の長編
デビュー作で嚆矢とされた67分の作品の2本立て。
卒業制作の作品では、強制収容所へ向かう列車からの逃亡を
企てる3人の男が、停車中にパンの積まれた貨車から食料を
盗み出す顛末が描かれる。コントのような作品だが時間経過
などが執拗に描かれて、学生映画らしさも満喫される。
そして後者では、逃亡している2人の若者が森の中を疾走し
その挙句に老人ばかりの自警団らしき一団に捕まるのだが。
そこから後が何ともシュールというか…。かなり不思議な雰
囲気の漂う作品になっていた。
この2作は共にチェコの小説家アルノシュト・ルスティクの
原作によるもので、ルスティクは脚本にも関っている。なお
後者のみ過去に日本での上映の記録はあるようだ。

『第五の騎士は恐怖』“A pátý jezdec je Starch”
ナチスドイツ制圧下のチェコを描いたハナ・ベロハドスカ原
作・脚本、ズビニェク・ブリコフ脚本・監督による1965年の
作品。
題名は黙示録の四騎士に準えたもので、チェコでホロコース
ト計画が推し進められる中、負傷したレジスタンスへの非合
法の治療に当たる医師がモルヒネを入手しようとプラハの街
を彷徨う姿が描かれる。
壁一面に張られた処刑者名の一覧と告発を誘う電話番号の掲
示など、この作品も現実を超えたかなりシュールな映像美に
溢れた作品だ。まあそれは現実にもあったものなのかもしれ
ないが…。

『火葬人』“Spalovač mrtvol”
1968年に製作され、1972年のシッチェス映画祭で最優秀作品
賞を受賞したものの、本国では公開後すぐに共産主義による
検閲で上映禁止となり、長く国内での上映が出来なかったと
いう作品。
1930年代のナチス台頭期を背景に、ごく普通の一般人だった
男性が周囲のイデオロギーの変化などに同調し、徐々にモン
スターへと変貌して行く姿が描かれる。正しくファシズムの
恐怖が描き切られた作品と言える。
その上映を禁止した共産政権の思惑、そしてその恐怖は現代
にも通じているものかもしれない。
原作・脚本はラジスラフ・フクス、監督はユライ・ヘルツに
よる。
以上の作品は4月10日から30日まで、東京はヒューマントラ
ストシネマ渋谷にてとして公開される。
なおこの紹介文は、配給会社コピアポア・フィルムの招待で
試写を観て投稿するものです。

『炎かがよへ』
戦国から安土桃山に続く戦乱時代の陸奥国を背景に、現在の
福島県会津若松市を中心とした領地を守った大名蘆名盛隆の
生涯を史実に基づき描いた作品。
主人公は須賀川二階堂氏の長男として生まれるも、父親が蘆
名氏との戦いに敗れたために人質として会津に送られた。と
ころが蘆名氏の当主が嫡男を残さずに死去したことからその
未亡人と結婚、蘆名氏の養子となって自ら当主となる。
そんな不規則な形で大名蘆名盛隆となった主人公だが、当時
は越後の国での家督争いなど周囲で騒乱が続き、その一方で
背後からは伊達氏との抗争にも悩んだ盛隆は、天下人徳川家
康に取り入って領地の安定を図ろうとする。
そんな歴史の荒波に翻弄された蘆名盛隆だが、その生涯は予
想外の結末を迎えることになる。
出演は2018年大河『西郷どん』などの荒木飛羽、2021年ドラ

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03月08日(日)
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