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On the Production
by 井口健二
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■新幹線大爆破、『ヒグマ!!』について
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※今週は東京国際映画祭の期間中で、僕自身は2020年11月※
※29日付で書いたように映画祭は卒業しているものだが、※
※この期間は試写会も休止されているのかな。いずれにし※
※ても僕の手元の試写状はないので、今回は劇場公開で鑑※
※賞して気になった作品について少し書くことにします。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『新幹線大爆破』
この作品は2025年4月23日からNetflix にて配信されたもの
だが、その作品が2025年10月3日からイオンシネマシアタス
調布、イオンシネマシアタス心斎橋にて2週間限定公開され
た。
作品は1975年公開東映映画のリメイクとされ、その作品を当
時に見て感激した自分としてはそのリメイクがどんなものか
気にはなっていた。しかしこの監督と主演の組み合わせでの
リメイクには、2006年5月31日付けの悪夢が甦るものだ。
しかも事前に流れて来た情報ではオリジナルの高倉健の役柄
がいないという。それでは当時の安保世代にとって何が描か
れるのか…。そんな疑問で鑑賞には躊躇していたが、その作
品が劇場で特別公開ということで観に行ってきた。
そして鑑賞を終えた今の気持ちは、僕にとってはいろいろな
意味で納得のできる作品だった。
その納得ポイントで1番目はオリジナルに対するリスペクト
だろう。それはまず本作がリメイクではなく、続編だったこ
とに始まる。そこでは前作が1975年の実話として語られ、思
想的な部分は伏せられるものの思いは伝わってくる。
しかもその怒りの矛先が政府及び官憲に向けられるのは、正
に70年安保世代にも通じる思いがした。しかも建前を振りか
ざして主人公らの思いを踏みにじる政府に対して、民衆がど
んでん返しを打つ展開も見事なものだ。
そんな思想的な背景のリスペクトに対して納得したところか
ら、さらに本作では様々なオリジナルに対してのリスペクト
にも感激した。そこには見せ場であるすれ違いや受け渡しが
忠実に再現され、さらに進化している。
しかも受け渡しのシーンで登場するのがALFA-X。2019年12月
22日付題名紹介『シンカリオン』にも登場したJR東日本の実
験車両が運用車として走行する。そしてその運転士の配役に
も驚愕した。
一方、すれ違いのシーンに登場する渡線は本来は事故防止の
ため設けられないものだが、ここはオリジナルに敬意を表し
ての再登場。さらに東京駅での渡線の設置やその運用法など
も丁寧に構築されていた。
そして最大のリスペクトはオリジナルでは実現しなかった題
名シーンの登場だろう。オリジナルの公開時にはそれがない
事で文句を言う連中もいたが、本作でその溜飲が下がったも
のだ。
出演は草K剛、細田佳央太、のん、要潤、尾野真千子、豊嶋
花、黒田大輔、松尾諭、大後寿々花、大原優乃、大場泰正、
岩谷健司、田村健太郎、今野浩喜、西野恵未、前田愛、中島
瑠菜、屋敷紘子、森達也、田中要次、尾上松也、六平直政、
ピエール瀧、坂東彌十郎、斎藤工。
この他にもALFA-Xの運転士を含めていろいろなカメオ出演が
あったようだ。
監督は樋口真嗣、脚本は中川和博と大庭功睦。オリジナルへ
のリスペクトや鉄オタの夢を盛り込んだ脚本が特に素晴らし
かった。
なおこの紹介文は有料鑑賞で上映を観て投稿するものです。
* *
『ヒグマ!!』について
2025年10月12日付で紹介した映画の公開延期が発表されてし
まった。状況を考えればこれは致し方のないことだが、この
状況が今後改善する見込みは殆んどないもので、これはこの
ままお蔵入りになってしまう可能性もある。
作品は真面目に作られたものだし、紹介でも書いたように登
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11月09日(日)
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