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On the Production
by 井口健二
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■炎はつなぐ、ハオト、この夏の星を見る
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『炎はつなぐ』
2007年『水になった村』などの大西暢夫監督が15年に亙って
日本の伝統技術を守る全国の職人を取材した中から、14人の
職人技を厳選して描いた日本の技の集大成とでも呼べそうな
長編ドキュメンタリー。
映画の始まりは愛媛県大洲市の養蚕農家。日本の産業の根幹
とも呼べる養蚕がやはり最初に紹介される。そこでは年4回
2家族で40万頭もの蚕を育てるという昼夜を分かたぬ不断の
技が紹介される。
続いては長崎県島原市の木蝋。ここでは原料となるハゼの実
を摘むちぎりこと呼ばれる職人や、収穫されたハゼの実を蒸
して木蝋を搾り取る工程などが紹介される。そしてその搾り
残りの用途として福岡県の絣工房が紹介される。
さらに徳島県の製藍所、岡山県のミツマタ農家、岡山県の和
紙職人、金箔職人、塗師屋、漆掻き、灯芯引き、墨職人、真
綿職人、和蠟燭職人など、様々な伝統工芸を支える職人の姿
が描かれる。
出演はそれぞれの職人たちだが、そこには取材に15年を費や
して信頼を勝ち得たという大西監督の姿も自然と登場する。
さらには撮影、スチール、ナレーションも監督が担当という
ワンマン作品だ。
作品のジャンルとしてはドキュメンタリーとなっているが、
上記のように出演やナレーションも監督自らが担当している
こともあって、どちらかというとフィルムセエッセーと言っ
た感じの作品だ。
その良し悪しは、例えばそれぞれの伝統工芸の工程などをも
う少し詳細に描いて欲しかったかな…という思いはするが、
観易さという点では本作の手法は正しい。特に次々に匠の技
が紹介されるから、それは息をのむような迫力だった。
正直に言って僕自身が技術系の出身なもので、それぞれの技
の巧みさは理解もしやすかった面はあるが。それを立て続け
に出されると目くるめくような面白さになっていた。その描
き方にも感動した。
そして言葉は悪いかもしれないが正しく芋づる式とでも言え
そうな展開も、実に面白く観させて貰えたものだ。久しぶり
に技術が持つ面白さを堪能させて貰えた。
公開は7月19日より、東京地区はポレポレ東中野他にて全国
順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社シグロの招待で試写を観て投稿
するものです。

『ハオト』
1997−98年放送の『ウルトラマンダイナ』などに出演の俳優
丈(小野寺丈)が脚本監督を手掛けた「戦後80周年記念作品」
と銘打たれたかなり捻りのある戦争映画。
時代背景は昭和20年の春から初夏。舞台は山間に建つ精神病
院(?)。そこには戦争に従事したために精神に異常をきたし
た患者たちが収容されている。しかしその実態は軍の機密施
設でもあるようだ。
というのもそこには原子爆弾の完成間際に障碍となった博士
や、戦況を予言して虚言症と診断されたがその予言が尽く的
中している「閣下」と呼ばれる男性患者、それに伝書鳩で何
処かと交信している女性患者などがいて…。
そこにさらにハワイ生まれの日系人で二重スパイになるとい
う若者が現れて事態が動き始める。一方、軍の上層部ではソ
連を仲介とする和平の道も模索されて、病院でその交渉も始
まるが。
出演は原田龍二、長谷川朝晴、木之元亮、AKB48の倉野尾
成美と村山彩希。さらにマイケル富岡、三浦浩一、片岡鶴太
郎(特別出演)、高島礼子らが脇を固めている。因に丈監督も
出演している。
精神病院を舞台に戦争を戯画化するという作品は他にもいろ
いろあったと思うが、さらにそこに未来との交信というアイ

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06月08日(日)
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