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On the Production
by 井口健二
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■KNEECAP ニーキャップ、青春イノシシ ATARASHII GAKKO! THE MOVIE
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『KNEECAP ニーキャップ』“Kneecap”
2017年に結成、同年にデビューした北アイルランドのヒップ
ホップトリオが自ら主演して映画化した半自伝的作品。
映画の開幕は北アイルランドと言えば誰しもが思い浮かべる
であろう爆弾テロの映像。しかし「本作はそんなことを描く
のではない」と宣言して物語は始まる。でも映画は最初から
かなり波乱含みの展開となる。
そんな物語の始りは2017年。ドラッグディーラーの主人公が
警察に捕まり、英語での証言を頑なに拒む主人公に対し警察
はアイルランド語の通訳を用意。しかしこの通訳が主人公の
手帳を見たことから思わぬ道が開け始める。
その通訳は音楽教師でガレージにスタジオを作るほどの音楽
マニア。そして手帳に書かれたリリックに感激した通訳は、
それをヒップホップの楽曲にすることを提案。最初は及び腰
だった主人公も徐々にその熱意に動かされる。
こうして主人公の幼馴染も巻き込んでのヒップホップトリオ
「KNEECAP」が結成され、彼らは当時は北アイルランドの公
用語からも排除されて絶滅寸前だったアイルランド語の復権
に向けて動き出す。
しかしそれは政府や警察による弾圧や、さらにリパブリカン
と呼ばれる反政府組織内部の急進グループとも対立を招き、
様々な妨害の中でパフォーマンスが繰り広げられてゆくこと
になる。
出演は「KNEECAP」のモウグリ・バップ、モ・カラとDJプロ
ヴィ。その脇を2012年2月紹介『SHAME-シェイム-』などの
マイクル・ファスベンダー、アイルランド出身のシモーヌ・
カービー、ベルファスト生まれのジョシー・ウォーカーらが
固めている。
脚本と監督は北アイルランド出身のリッチ・ペピアット。元
はジャーナリストで長編監督デビューの本作では、英国アカ
デミー賞で新人監督の作品としては史上最多の6部門にノミ
ネートされ、新人賞に輝いている。
映画の終盤には実写のスナップ写真なども挿入されて、物語
のかなりの部分は実話に基づいていることが判るが。恐らく
はフィクションであろう部分との繋がりが巧みで、見事に納
得できる作品になっていた。
ミュージシャンの実生活を基にフィクションを織り込むとい
う手法は、1964年『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!
ヤァ!』などでも観られるが、それをかなりハードな描き方
で貫いているのは、彼らの政治姿勢にも合っている。
そしてその政治姿勢を示す彼らのラップの歌詞が全て字幕で
翻訳紹介されているのも嬉しくなった。以前は歌詞の字幕は
著作権協会がうるさかったものだが、本作で歌詞が不明だと
価値は半減する所だった。
さらに映画の最後には「世界中で40日間に一つの言語が失わ
れている」というテロップも掲げられて、本作が単にアイル
ランド語の問題に留まらないことも教えられた。それも素晴
らしいと言える作品だ。
公開は8月1日より、東京地区は新宿シネマカリテ、ヒュー
マントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺他にて全国順
次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社アンプラグドの招待で試写を観
て投稿するものです。

『青春イノシシ ATARASHII GAKKO! THE MOVIE』
4人組のガールズグループ「新しい学校のリーダーズ」のコ
ンサートの模様などを記録したドキュメンタリー。
2024年4月カリフォルニアで行われた世界最大の音楽フェス
Coachella 2024内のGobiステージにて大トリを飾り、その後
の世界33都市の公演で合計11万人を動員したツアーの千秋楽

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06月01日(日)
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