ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459552hit]

■KIDDOキドー、ベテラン 凶悪犯罪捜査班、ガール・ウィズ・ニードル
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『KIDDOキドー』“Kiddo”
1990年アムステルダム生まれの女性監督サラ・ドヴィンガー
による長編デヴュー作。本作は2023年のベルリン国際映画祭
ジェネレーション部門でワールドプレミアされた。
物語の始まりは児童養護施設。そこで暮らす少女に母親が訪
ねてくると連絡が入る。しかし待てど暮らせどその日は現れ
ず。翌日現れたハリウッド女優だと自称する母親は、少女を
オンボロ車に乗せて町に繰り出す。
ところが母親は約束の時間になっても少女を施設に送り返そ
うとせず、ついにはポーランドのおばあちゃんの家に行って
そこに隠したお金を取り返し、2人で暮らそうと言い出す。
そんな破天荒な母親に何となくついて行く少女だったが…。
出演はローザ・ファン・レーウェン(子役)と、同年“Melk”
という作品にも主演しているフリーダ・バーンハード。他に
マクシミリアン・ルドニツキ(子役)、リディア・サドウカ、
アイサ・ウィンターらが脇を固めている。
脚本は監督とネーナ・ファン・ドリルとの共同で、劇中には
ダスティ・スプリングフィールドやペニー・アンド・ザ・ク
ォーターズら1970年代の楽曲も鏤められた作品だ。
題名にはチャールズ・チャップリンの1921年作品『キッド』
を連想した。シチュエーションは違うが児童養護施設が出て
きたり、実の母親が芸能人というのは少しリスペクトもある
のかな。
そんな眼で見ていると章立てされた各章に付けられた副題も
気になって、配給会社の担当者に問い合わせたら
#1 All or Nothing
#2 On the Run
#3 Bonne & Clyde
#4 Crazy
#5 Take the Money and Run
#6 Home Sweet Home
との回答をいただいた。ありがとうございます。
この内#3の『俺たちに明日はない』と#5の『泥棒野郎』
は直に判るが、#4はジョージ・A・ロメロ監督の1973年作
なのかな。他の副題もそれぞれ映画題名は見つかるが慣用句
でもあるし、監督の意図は明らかではないようだ。
ただチャップリンの作品に関しては、男性と女性とではこん
な風に違うのかな。もちろん実の親子とそうでない違いもあ
るが、母親と娘との関係性は自分が父親の目線からは面白く
も感じられた。
それに娘がしっかりしているのも良い感じで面白い作品だ。
特に旅先で出会う男児とのクールな振る舞いも良いし、母親
に対する絆を深めて行く目線も素敵で、各地の青少年映画祭
での受賞も頷ける作品だった。
公開は4月18日より、東京地区は新宿シネマカリテ、ヒュー
マントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺、さらに京
都シネマ他にて全国順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社カルチュアルライフの招待で試
写を観て投稿するものです。

『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』“베테랑2”
2015年に日本でも公開されたファン・ジョンミンが熱血刑事
に扮する韓国映画の続編。2022年4月付題名紹介『モガディ
シュ 脱出までの14日間』などのリュ・スンワン監督が9年
ぶりの自作の続編に挑戦した。
描かれる事件は連続殺人。それは卑劣な犯罪を犯したものの
無罪になった元被疑者を標的としたもので、ネット世論では
正義の私刑を遂行する伝説の怪物“ヘチ”と呼んで崇拝する
ものも現れる始末だった。
そんな連続殺人鬼に9年前には財閥系の巨悪に立ち向かった
刑事たちが立ち上がる。そんな中でSNSで集められた民衆
を巻き込む劇場型の殺人劇が繰り広げられるが…。それは次
の犯行に向けた犯人の挑戦状だった。

[5]続きを読む

03月02日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る