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On the Production
by 井口健二
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■風に立つ愛子さん、けものがいる、ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男、うしろから撮るな 俳優織本順吉の人生
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『風に立つ愛子さん』
2012年『石巻市立湊小学校避難所』を発表した藤川佳三監督
が、その避難所で出会った村上愛子さんを継続して取材した
ドキュメンタリー。
2024年「座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル」コン
ペティション入選作品。
上記の前作の試写も観ているものだが、3・11に取材したド
キュメンタリーは当時すでに何本も存在して、その中にはか
なり衝撃の作品も多かったことから前作の紹介は割愛してし
まったようだ。
そんな作品の続編とも言える本作だが、中には前作のリピー
トもいろいろあって当時の状況が思い出されるような作品で
もあった。その意味では、当時のことを忘れないで欲しいと
いう意図も感じられる作品だ。
そして本作に登場する愛子さんは、その素性もいくらか明か
されるが生涯独り身だったようで、避難所では却って家族が
できたようだったとも明かす。それは災害のお陰だから避難
所では「津波様」と言って怒られたとも屈託なく語る。
そんな愛子さんは避難所の閉鎖後は仮設住宅に移り、それか
ら7年後に復興住宅に転居する。そんな日々に合わせて愛子
さんの人生なども語られる。さらには災害の時の悲惨な状況
も語られる。
それらは比較的穏やかな調子でユーモアも込めて語られるの
だったが、復興住宅への引っ越しの際にボランティアで手伝
いに来ていた人の一言が愛子さんを爆発させる。その真意は
監督も計りかねるとしているものだが…。
それは正しく魂の叫びのようでもあり、この作品が語るべき
だったことを全て絞り出しているかのようでもあった。しか
しそれはこの作品をある意味全否定するものであるかもしれ
ない。そんなドキュメンタリーの難しさも感じさせた。
それを敢えてさらけ出している監督の意思も感じられる。僕
は第三者としてこの作品を観せてくれたことに感謝するし、
第三者に向けてこの作品は発信し続けなければいけないとも
感じた。当事者には苦しいことなのだろうけど。
災害国家日本では、まだまだ続く試練なのかもしれない。
公開は2月22日より、東京地区はポレポレ東中野他にて全国
順次ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社ブライトホース・フィルムの招
待で試写を観て投稿するものです。
『けものがいる』“La bête”
1961年の映画『回転』の原作者としても知られるイギリスの
作家ヘンリー・ジェイムズの短編小説『密林の獣』をモティ
ーフに、2014年6月15日付「フランス映画祭2014」にて紹介
『イヴ・サンローラン』などのベルトラン・ボネロ監督が描
いた時空を超える叙事詩的な作品。
プロローグはグリーンバックで演技をする女優のメイキング
的な映像。そこから様々な時代に飛んで物語が展開される。
その始まりは2044年。AIが支配する近未来社会では人間の
感情が不必要と判断されているようだ。
そんな中で主人公は要職に就くために感情除去の処置を受け
ることを承認する。そのためDNAに刻まれた前世のトラウ
マを解消すべく過去の記憶へのアクセスが試みられ、1910年
代のパリの社交界が再現される。
そこで主人公は1人の男性と出会い、夫のいる身でありなが
らその男性に惹かれて行く。しかし彼女には大きな災害の予
感が付き纏っていた。そしてそれは予言者によって指摘され
てもしまう。
次に主人公が訪れるのは2014年のロサンゼルス。そこで彼女
は豪邸の留守番をしているが、そこにも同じ男性が現れる。
しかしここでも予感が付き纏い、それはネットの占いサイト
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02月02日(日)
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