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On the Production
by 井口健二
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■私の親愛なるフーバオ、教皇選挙、プロフェッショナル
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『私の親愛なるフーバオ』“안녕, 할부지”
2016年に韓国にやってきた2頭のジャイアントパンダ。その
番の間で2020年に誕生した史上初の韓国生まれのフーバオ。
その個体が4歳になり規定によって中国に帰るまでの最後の
日々を追ったドキュメンタリー。
日本では1972年に日中国交正常化記念で中国から贈呈された
カンカンとランランが最初。その後は1967年と72年にフェイ
フェイとホアンホアンが来日して、その2頭の間で1986年誕
生のトントンは2000年死亡まで日本で過ごした。
しかし近年はワシントン条約によって絶滅危惧種の国際取引
が禁止され、中国国外での飼育は研究・繁殖のための貸与の
みとされる。このため誕生した子供は一定の期間を経ると中
国へ返還されることになっている。
そんな事情で中国に返還されることになった仔パンダの最後
の日々が記録された作品だ。とは言うものの被写体の中心は
フーバオの誕生から成長を見守ってきた飼育員たちの姿で、
特に別れが迫ってからの様子が描かれる。
それでなくてもジャイアントパンダは、その愛くるしい姿や
仕草などで韓国でも人気だったようだが、実際にフーバオは
韓国で初めて誕生した子供ということで、人気は絶大だった
ようだ。従ってその騒ぎはかなりのものとなる。
それに対して飼育員たちは仔パンダを送り出すための様々な
イヴェントを用意。そして検疫のための隔離期間前の最後の
一般公開の日には、広い園内が観客でぎっしり埋まるほどの
盛況となり、多くの人が別れの涙を流すことになる。
そんなフーバオを囲む人々の姿が記録されている。
監督は、数多くの映画、TVドラマ、ミュージックヴィデオ
などを手掛けるシム・ヒョンジュンと、インディペンデント
映画、CM、ミュージックヴィデオなどを手掛けるトーマス
・コー。
この2人にヴェテラン撮影監督のキム・スルギとチョ・ヨン
スが参加。さらにハリウッド映画でも活躍しているアニメー
ション監督のイ・ギョンホも加わって94分の作品が作り上げ
られている。
実はフーバオ誕生の前には死産などの苦い経験もあったよう
で、そんな経緯の後に生まれた子供には一層の愛着があった
ことは理解できる。とは言うものの日本ではここまでセンチ
メンタルにはならないかな。
まあ日本の場合はそれまでに日本で生まれて天寿を全うした
トントンのような存在もあるから、仔パンダの中国への帰還
はそれなりの話題にはなるが、今では比較的冷静に観られて
いる気がする。
でもこの映画を観ていると、本当はこれくらいにセンチメン
タルになってもいいのかな、という気はしてきた。因に本作
の製作費は3000人を超える人々のクラウドファンディングで
賄われたということで、その熱意も感じる作品だった。
公開は4月18日より、東京地区は新宿武蔵野館、ヒューマン
トラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋他にて全国ロード
ショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社ファインフィルムズの招待で試
写を観て投稿するものです。

『教皇選挙』“Conclave”
ローマ法王が逝去した後の20日以内に始められる教皇選挙。
本来は密室で行われるその内情を2011年7月紹介『ゴースト
ライター』などの原作者ロバート・ハリスが綿密な調査の許
に描いた小説の映画化。
ローマ法王が心臓発作で突然の死去、その教皇選挙は法王の
側近だった首席枢機卿の指揮で行われることになる。そして
世界中から 100名を超える枢機卿がローマに参集し、密室で

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02月09日(日)
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