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On the Production
by 井口健二
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■十一人の賊軍、大きな玉ねぎの下で、ニッツ・アイランド−非人間のレポートー
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
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『十一人の賊軍』
2002年に亡くなった脚本家笠原和夫氏が生前に企画したもの
の、その時の状況では映画化に至らなかった幕末の物語が、
2018年『孤狼の血』や2019年4月21日付題名紹介『凪待ち』
などの白石和彌監督によって実現された。
物語の舞台は越後の国で新潟湊を擁する新発田藩。徳川派の
奥羽越列藩同盟に属する長岡藩に隣接する小藩には同盟軍へ
の出兵も要請されていたが、若き城主は新政府軍に寝返るこ
とを模索していた。
そんな折、同盟軍は城主の真意を質すために軍使を送ると通
告。一方の新政府軍からも軍使の派遣が通知される。しかし
両軍が出遭えば戦闘は必至。この状況に新発田藩の家老はあ
る策略を思いつく。
それは山深い国境の峠で新政府軍の軍使を足止めして時間を
稼ぎ、その間に同盟軍を説得して追い返すというもの。その
数日間だけ峠の砦を守ればよい。そしてその任を我が娘の許
婚の武士に与える。
そこでその武士は、同盟軍に参加しない城主に不満を持つ剣
の使い手を引き入れ、様々な理由で死罪となり牢獄に繋がれ
ていた罪人たちに「成功したら無罪放免」と約束。彼らを率
いて峠へと向かうが…。
出演は山田孝之、仲野太賀。また歌舞伎役者の尾上右近、元
モーニング娘。で映画は初出演の鞘師里保。他に佐久本宝、
千原せいじ、岡山天音、松浦祐也、一ノ瀬颯、小柳亮太、本
山力。
さらに野村周平、田中俊介、松尾諭、音尾琢真、柴崎楓雅、
佐藤五郎、吉沢悠、駿河太郎、松角洋平、浅香航大、佐野和
真、安藤ヒロキオ、佐野岳、ナダル、木竜麻生、長井恵里、
西田尚美。そして玉木宏、阿部サダヲらが脇を固めている。
なお笠原和夫氏は映画化が頓挫した際に脚本を破り捨てたそ
うで、残っていたのは16ページのプロットのみ、本作の脚本
はそこから『孤狼の血』やTVドラマ『相棒』、配信ドラマ
『極悪女王』などの池上純哉が手掛けている。
史実では新発田藩はもっと簡単に新政府軍に寝返ったようだ
が、そこはフィクションの醍醐味というところだろう。そん
な展開の中で罪人軍団対新政府軍のかなり壮絶な戦いが繰り
広げられる。
それはアクション時代劇としても楽しめるものだ。そしてそ
こに長岡花火のルーツみたいなものがちらっと描かれるのも
嬉しく感じられた。他にも越後の国のいろいろな風物が織り
込まれているのも納得できた。
公開は11月1日より、全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社東映の招待で試写を観て投稿す
るものです。
『大きな玉ねぎの下で』
爆風スランプが1985年に発表した同名の楽曲を基に、2024年
の若者と1989年の若者の青春を描いた作品。
物語の始りは1988年の田舎町で郵便局員が封書を配達する風
景。その封書は直接には会ったことのないペンフレンドから
のものだ。しかもそのペンパルの経緯にはちょっとした隠し
事もあった。
そして2024年では、夜はバー、昼はカフェという二重業態の
店舗で夜間に働く男性と昼間に働く女性。本来2人は出遭う
ことも無かったが、備品の二重発注などを避けるための業務
連絡ノートがその間を取り持ち始める。
そんな時代の違う2組のカップルは音楽の趣味が共通するこ
とを知り、それぞれの男性が武道館で行われるコンサートの
チケットを手に入れて、「大きな玉ねぎの下で」会うことを
計画するが…。
出演は神尾楓珠、桜田ひより。他に伊東蒼、藤原大祐、窪塚
愛流、瀧七海。さらに山本美月、中川大輔、伊藤あさひ、休
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10月06日(日)
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