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On the Production
by 井口健二
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■TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー、緑の夜
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』“Talk to Me”
2023年サンダンス映画祭での上映が評判となり、A24が配給
権を獲得。7月全米公開では同社のホラー作品としては最高
興行を記録したというオーストラリア発、ダニー&マイクル
・フィリッポウ双生児の監督による長編デビュー作。
主人公は母親を亡くした痛みを心に抱えたままの少女ミア。
父親との関係もギクシャクし、救いは親友のジェイドと彼女
の弟ライリー、それに姉弟の母親のスーと過ごす時間だけ。
そんなミアが学校で流行り始めた降霊会に興味を持つ。
それは降霊術師の手が封じ込められているとされる呪物の手
を握り、「Talk to Me」と唱えて霊を降すというもの。その
降霊会での体験はミアに大きな高揚感をもたらすが…。続い
てライリーが行った降霊が事件を引き起こす。
出演は、2019年にオーストラリア国立演劇学院を卒業したと
いうソフィー・ワイルド。TVシリーズで活躍中のアレクサ
ンドラ・ジェンセン。9歳から俳優をしているというジョー
・バード。
さらに、2014年6月紹介『アイ・フランケンシュタイン』や
『LOTR』のエオウィン役などで知られるミランダ・オッ
トー。舞台俳優でバンド活動もしているというオーティス・
ダンジらが脇を固めている。
脚本も手掛けた双生児監督は、総再生回数15億回、登録者数
679万人を誇るYouTuberでもあるそうで、この手の来歴には
正直に言って偏見があり、しっかりとしたドラマが作れるか
どうか不安だった。
しかし正に杞憂。双生児監督が作り出した作品は極めてオー
ソドックスでありながら、その背景にはしっかりとした若者
文化への考察があり、そして何よりキーとなる呪物がその設
定や造形など何とも見事なものだったのだ。
特に手を握って「Talk to Me」と唱えるシーンはホラーの決
め台詞として出色のものにも思える。今後はこのような決め
のシーンがホラーの定番になるのかな。そんなことも予感さ
せる印象だった。
Jホラーのブーム以降は、どちらかというとコケ脅かし的な
シーンが横行し、観客もそれを期待する感じも強かったが、
本作ではあえてそのようなシーンは封印してしっかりとした
ドラマで見せる努力がなされている。
ホラー映画界に新たな才能が開花したようだ。
公開は12月22日より、東京地区は丸の内ピカデリー、新宿ピ
カデリー他にて全国ロードショウとなる。

『緑の夜』“绿夜”
二重契約や脱税などの容疑で一時は行方不明との噂もあった
中華人民共和国山東省青島市生まれの女優ファン・ビンビン
が、俳優復帰を果たしたとされる2023年製作の香港映画。
なお本作の撮影地は韓国内で、台詞の殆んども韓国語だが、
製作国は香港とされているものだ。
主人公は中国から韓国に渡って暮らしている女性。ソウルの
外港とされる仁川港で中国航路の出入国管理官の職に就き、
検査場で中国からの密輸品の監視の任にある。そんな主人公
が髪を緑色に染めた若い女性に着目する。
その女性は挙動に不審なものがあり、厚底の靴に金属探知機
が反応を示す。そこで靴を脱がせた主人公だったが、その時
に上司の男性から咎めるような声が掛かり、女性はその隙に
裸足のまま検査場を通り抜けてしまう。
そんな2人の女性が再会し、主人公は緑の髪の女性に導かれ
るように危険な裏社会に入り込んで行く。それは主人公を韓
国に導いたらしい抑圧的な夫からの解放でもあったが、その
行動がエスカレートして行く。

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11月19日(日)
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