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On the Production
by 井口健二
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■沖縄狂想曲、シャクラ、ファイアバード
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『沖縄狂想曲』
2018年4月29日付題名紹介『明日にかける橋』などの太田隆
文監督が、2020年『ドキュメンタリー沖縄戦』、2022年『乙
女たちの沖縄戦』に続けて沖縄が抱える諸々の問題を描いた
ドキュメンタリー。
作品は、太平洋戦争において沖縄は捨て石だったという見解
に始まり、日本の米軍基地の7割が沖縄県に集中している事
実や、大田昌秀元沖縄県知事の沖縄を平和の礎にするという
構想、さらには辺野古新基地問題などが描かれる。
その間には米軍兵士による犯罪や、コザ暴動、国際大学への
米軍ヘリコプターの墜落など、正しく沖縄県民が味わってき
た痛み苦しみがこれでもかという感じで描き尽くされている
作品だ。
それらを有識者や元新聞の論説委員、大学教諭、元市長、元
県庁職員らが徹底解説し、さらには鳩山由紀夫元総理大臣が
在任中に成し得なかった基地県外移設への悔恨インタヴュー
など、様々な角度から論じて行く。
そしてその陰に見え隠れする日米合同委員会の存在への言及
などもなされているものだ。
スタッフは企画・構成・監督:太田隆文、製作総指揮:鯛中
淳、撮影・編集:三木本久城、企画:岩下秀雄、インタヴュ
ー:永田よしのり、太田隆文、語り:斉藤とも子、久場寿幸
などとなっている。
映画では沖縄の苦難が実に様々な角度から提示され、沖縄が
置かれている状況などが判り易く紹介されている。それが本
土の人間が考える以上の苦難であることも如実に理解できる
作品だ。
ただその幅が広すぎて、僕自身は過去にこの種の作品も観て
きた経験の中で理解はできたつもりでいるが、果たしてそれ
が全てを理解したかというと疑問が残る。それくらいに奥深
いものがあるような気もしてきた。
そうしてみるともっと深く掘り下げて欲しかった気もしてし
まうもので、幅広く捉えようとしたことでそれぞれの掘り下
げが充分に行われているのかという点に疑問が生じてしまう
部分はあった。
出来るなら辺野古、オスプレイ、さらには日米合同委員会に
ついて、もっと掘り下げた作品をそれぞれ制作して欲しい。
そんな風にも感じてしまう作品だった。
公開は2024年2月3日より、東京地区は新宿K's cinema他に
て全国順次ロードショウとなる。
『シャクラ』“天龍八部之喬峯傳”
2020年3月8日付題名紹介などの『イップ・マン』シリーズ
や、2023年6月紹介『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
などに出演のドニー・イェンが製作・監督・主演を務め、中
華映画のお家芸とも言える武侠映画に挑んだ作品。
中国北宋の元号で元佑年間(西暦1086−1094年)。当時の宗は
契丹、西夏などの外敵に囲まれ、国内も混乱の中にあった。
そんな中で、喬夫妻は家の前に置き去りにされた赤子に喬峯
と名付け我が子のように育て上げた。
その喬峯はやがて少林寺で修行を積み、武芸者として頭角を
現す。そして武術集団・丐幇の首領格にもなっていた。そん
な喬峯が奸計によって集団を追われることになり、さらに養
父母殺しや師匠殺しの濡れ衣も着せられる。
しかしその窮地は1人の女性武術家の出現によって脱するの
だが…。
共演は、1992年四川省生まれで古装ドラマ(時代劇)や武侠ド
ラマにも多く出演のチェン・ユーチー。1989年湖南省生まれ
で2006年11月9日付「東京国際映画祭」で紹介『十三の桐』
などのリウ・ヤースー。『イップ・マン』シリーズの最終話
に出演のウー・ユエ。
他に2006年9月紹介『エレクション』などのチョン・シウフ
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11月26日(日)
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