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On the Production
by 井口健二
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■二十歳に還りたい。、さよならほやマン、北極百貨店のコンシェルジュさん、鯨の骨、カンダハル−突破せよ−
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
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『二十歳に還りたい。』
大川隆法製作総指揮・原作、幸福の科学出版製作によるファ
ンタシー要素の強い作品。
登場するのは功成り名を遂げた老人。しかし苦労の末の成功
では家族関係に恵まれず、介護老人ホームに入居した今では
面会者もほとんどいない。そんな彼の許にはヴォランティア
の女子大生が話し相手に訪れていたが…。
ある日、近くの高台に車椅子を押して登ってきた彼女は「日
没のときに祈ると一つだけ願いが叶う」と彼を促す。そして
彼が願ったのは二十歳に還ること。こうして大学生の身体に
宿った彼は大人の知恵で難題を解決して行く。
しかし彼の願いを叶えた神は、ある試練も彼に課していた。
出演は大川映画で出演や主題歌の歌唱も手掛ける田中宏明、
2012年7月紹介『かぞくのくに』などの津嘉山正種。それに
オーディションで選ばれた三浦理香子。さらに伊良子未來、
永嶋柊吾、上杉祥三らが脇を固めている。
監督は、2022年9月紹介『呪い返し師−塩子誕生』などの赤
羽博が担当した。
まあこの手の転生ものは過去作もいろいろあったと思うが、
ここまで明確に神の介在を謳うのはさすがに宗教団体製作の
映画というところかな。その分余計な説明がないのも良かっ
たところだ。
ただ主人公が転生前の自分に出会わないのは最後に納得でき
たが、ヒロインが同姓同名に気づかないというのはどうなの
かな。この辺はもう少し説明が欲しかった。パラレルワール
ドなのか、それともヒロイン=神なのか。
それに神が課した試練というのが、正直に言って陳腐という
か軽薄かな。それが不可侵なのは宗教としては致し方ないの
だろうが、神の試練というのは本来それを克服することが神
への報恩で、そこを逃げるは冒涜にも思える。
いずれにしても神を道具として使うのではなく、もっと真摯
に向き合った作品を作ってもらいたかったものだ。それが宗
教家としてあるべき姿ではないのかな。思い切り重厚な作品
が観てみたいものだ。
因に製作総指揮・原作の大川隆法師は2023年3月2日に死去
したはずだが、今回試写会で配布されたプレス資料にはその
ことは一切触れられていなかった。ひょっとして今後も作品
が続くことはあるのかな。
公開は9月29日より、全国ロードショウとなる。

『さよならほやマン』
CMディレクターの庄司輝秋監督が、自らの故郷である宮城
県石巻市の離島を舞台に描く長編映画デビュー作。
登場するのは、「東北のハワイ」とも称される島で素潜りに
よる「ほや」漁をする青年。少し障害のある弟と2人暮らし
の青年は、食事は1日1個のカップ麺しか口にしない。そし
て大切な船を借金の担保で取られそうになっている。
そんな2人の暮らす家に髪を青く染めた女性が転がり込んで
くる。実は彼女は弟が好きな漫画の作者で、ある事情で東京
を離れ、その島にやってきたのだが。電波が良いという理由
で上がり込んできた彼女と奇妙な3人生活が始まる。
一方その島での生活に行き詰まりを感じていた青年は、ふと
亡父がやっていた島興しのキャラクター=ほやマンを復活さ
せ、動画のSNSを始めてみるが…。
出演は、2019年8月25日付題名紹介『宮本から君へ』などに
楽曲提供をしているバンド「MOROHA」のMCアフロ。2017年
11月5日付「東京国際映画祭」で紹介『アイスと雨音』では
本人として登場しているが、本格的な主演は初めて。
共演は、NHK朝ドラに主人公の親友役で多く出演している
呉城久美と、2023年後期の朝ドラ『ブギウギ』に主人公の弟

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08月27日(日)
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