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On the Production
by 井口健二
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■妖怪の孫、NEVER MIND DA 渋さ知らズ 番外地篇、ノートルダム炎の大聖堂、aftersun/アフターサン、THE WITCH/魔女-増殖-
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『妖怪の孫』
先週紹介『Village/ヴィレッジ』の河村光庸プロデューサー
が企画し、2021年『パンケーキを毒見する』で現役総理大臣
が題材のドキュメンタリーを発表した内山雄人監督が手掛け
た「昭和の妖怪」の孫を巡るドキュメンタリー。
昭和の妖怪とは元内閣総理大臣岸信介のこと。安倍晋三は岸
の娘婿である安倍晋太郎の息子だが、リベラル派だった晋太
郎は岸の娘婿ではなく、自分は反戦を貫いた戦前の衆議院議
員安倍寛の息子だと主張していたということだ。
そんな安倍寛の孫が、如何にして妖怪の孫となってしまった
のか、本作はそんな政界の闇を描いたドキュメンタリーと言
える。そして本作では、安倍晋三が自民党政権における絶対
権力者となり得たシステムなども解説される。
そこでは統一教会との関係なども語られるが、まずは絶対的
に選挙に強かった安倍晋三の戦略が詳解される。ところが他
の部分では固有名詞も出される中で、大手広告会社という戦
略の心臓部の企業名は伏される。
これは一体どうゆうことなのか。先週の紹介文では硬派のプ
ロデューサーと紹介した河村光庸も、さすがにここだけには
対抗できなかったのか。それとも河村亡き後に腰砕けになっ
てしまったのか。そんなことも考えてしまう作品だった。
まあ自民党政治家の答弁の内容が、某テレビ局職員が言うよ
うに、この大手広告会社の指示に従っていることは明らかに
されていたが。
なお本作の中では、安倍の地元山口県での活動の様子も描か
れるが、その中で汚職談合の象徴とされるごみ焼却場の外観
が、先週紹介の作品に登場するごみ焼却場にそっくりで、し
かも丁寧にリサイクル場も併設されている。
実は先週の作品を観た時には単純な村社会の確執を描いた作
品と思っていたが、その裏にはさらに大きな権力も蠢いてい
たようで、先週の作品に対する認識が一層深まる感じもした
ものだった。
それにしてもこのような政治家が、今でも国家の英雄のよう
に扱われて選挙民の支持も引き継がれている。そんな歪んだ
選挙戦略を打破するためにも、今後は是非とも大手広告会社
との関係も追及した作品を期待したいものだ。
公開は3月17日より、東京は新宿ピカデリー他にて全国ロー
ドショウとなる。
なお本作は、『Village/ヴィレッジ』(4月21日全国公開)と
併せて観ることをお勧めしたい作品だ。

『NEVER MIND DA 渋さ知らズ 番外地篇』
ジャズベーシストの不破大輔を中心に1989年結成され、以後
は離合集散を繰り返しながら2019年に30周年を迎えたビッグ
バンドの歴史を、初期メムバーへのインタヴューや彼らとの
セッション、さらにアーカイヴ映像などを交えて映画化した
ドキュメンタリー。
元々は2019年の30周年記念で京都大学西部講堂にて行われた
ライヴの模様を映画化する計画が進められ、その制作に招か
れた佐藤訪米監督は映画に挿入するドラマ部分の撮影を準備
するも COVIDで敵わず。そこでバンドの初期を知る人たちに
インタヴューを求めたのだそうだ。
そこにバンドの中興期にキーボード・ヴォーカルで参加して
いた佐々木彩子をナヴィゲーターで招き、初期メムバーへの
インタヴューと彼らとのセッションを敢行する。それは先に
セッションの曲を決めてからインタヴューを行ったそうで、
本作を音楽映画にする意図だったと監督は語っている。
そんな形式でバンドの歴史が語られている作品だ。そこには
かなり飛んでもないエピソードも披露される。とは言うもの

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03月12日(日)
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