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On the Production
by 井口健二
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■生きててごめんなさい、いちばん逢いたいひと、恋のいばら
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『生きててごめんなさい』
社会現象とまでされる「刀剣乱舞」や2019年7月紹介『いな
くなれ、群青』などに出演の黒羽麻璃央と、2020年2月23日
題名紹介『街の上で』などの穂志もえかの共演で、出版文化
を背景にした青春映画。
主人公は出版社の編集部に勤めながら文学賞の応募を狙って
いる男性。そんな男性が居酒屋で客への応対に苦労している
女性を助け、2人はそのまま同棲関係になる。しかし女性は
ある種の適応障害で、家にいることが多かった。
そんな男性は、勤務先ではパワハラに近い上司の攻撃を受け
ており、さらに担当する執筆者からも無理難題を押し付けら
れて応募のための執筆もままならなくなる。そんな時に高校
の文芸部の先輩だった女性編集者と再会し…。
出版も配信が主流になりつつある時代に、紙の出版を背景に
してくれるのは、そういう時代を生きてきた者としては嬉し
くもなる作品だ。そこにまあ、何というかライトノヴェルの
ようなノリの物語が展開される。
企画・製作は、2018年9月紹介『青の帰り道』や2017年12月
紹介<TANIZAKI TRIBUTE>の一編『悪魔』などの藤井直人。
その『悪魔』で脚本を務めた山口健人が、本作を脚本・監督
した。
共演者では、2022年8月紹介『よだかの片想い』などの松井
玲奈、2017年10月1日題名紹介『こいのわ 婚活クルージン
グ』などの安井順平らが脇を固めている。
タイトルが何とも重くて、正直には試写を観るのを躊躇した
ところもある。でも実際の作品は軽いノリと言うか、一時期
流行ったカルチャースクールの文芸教室にはこんな人も居た
んだろうなあ、という感じの主人公だ。
そんな目で見ているとライトノヴェルと言うジャンルが頭に
浮かんでしまうのだが、はっきり言って男女の主人公のキャ
ラクターの掘り下げも浅いし、これで物語のどこに共感すれ
ばよいのかも判らなくなる。
特に結末は、逆の方がもっと真剣な物語になったと思うが、
でもこういう展開が今の観客には受けるのだろうし、そこに
今が旬の俳優の共演なら、これはこれで認めるべき作品なの
だろう。
とは言うものの、やはりタイトルは重過ぎるように感じてし
まう。それを払拭する宣伝は大変だ。「#イキゴメ」で良い
キャンペーンが張れるといいが。
公開は2023年2月3日より、東京ではシネ・リーブル池袋、
ヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺他にて
全国順次ロードショウとなる。

『いちばん逢いたいひと』
AKB48倉野尾成美の主演で、急性骨髄性白血病の少女とその
骨髄ドナーとなった男性を巡る実話に基づくとされる物語。
主人公は11歳で白血病と診断されて入院し、ドナーを待つ間
は過酷とされる抗がん剤の治療を受けることになる。しかし
そこには隣のベッドで同じ病を闘う少年との淡い恋心なども
芽生えていた。
一方、IT企業を経営する男性の娘が白血病となり、ドナーを
待つも甲斐なく死去してしまう。そして男性は妻から「何も
してくれなかった」と詰られて家庭は崩壊。そんな時、男性
はふと骨髄ドナーに登録する。
その登録が、少女と男性の未来を奇跡のように結びつけるこ
とになる。
共演は三浦浩一、不破万作、田中真弓、大森ヒロシ、それに
監督も務める丈、そして崔哲浩。さらに子役の田中千空、海
津陽。また中村玉緒(特別出演)、高島礼子らが脇を固めてい
る。
本作のプロデューサーのお子さんが同様の白血病なのだそう
で、この作品にはその思いが込められているようだ。実際に

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11月27日(日)
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