ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459563hit]

■呪い返し師−塩子誕生、夜、鳥たちが啼く、光の指す方へ
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『呪い返し師−塩子誕生』
大川隆法原作・製作総指揮による宗教団体「幸福の科学」の
教義に沿ったオカルトファンタシー作品。
女子高のオカルト研究会の部員が、度々不可解な現象に襲わ
れる級友の救うため、呪い返し師−塩子を呼び覚ます儀式を
行う。こうして降臨した塩子は直ちに級友に憑いた悪霊を見
破り、除霊するが…。
彼女らの周辺にはその他にも様々な霊に取りつかれた人々が
おり、その相談を受けた主人公らはその度に塩子を降臨して
その霊を払ってもらって行く。しかしその道筋には巨大な悪
が待ち構えていた。
出演は、2020年3月8日題名紹介『心霊喫茶「エクストラ」
の秘密』などの希島凛と、同作に出ていたという福永紗也。
他に元AKB48の鈴木まりや、舞台俳優の吉田宗洋。さらに
土平ドンペイ、モロ師岡、長谷川稀世、目黒祐樹らが脇を固
めている。
脚本は『心霊喫茶』などの大川咲也加、監督はテレビシリー
ズ『GTO』などの演出を務めた赤羽博が担当した。
物語は、それぞれ人間の煩悩である「貪=欲望、瞋=怒り、
癡=無知、慢=うぬぼれ」に準えた4つのエピソードで構成
され、それなりに内容がエスカレートして行く展開になって
いる。
とは言うものの、呪いの出現から塩子による除霊までの流れ
が一本調子の繰り返しで、それぞれ赤鬼が登場したりの変化
は見せるが、何かメリハリに欠ける。特に各エピソード間が
ブツ切れで繋がりがないのも興味を途切れさせた。
実際には最後のエピソードが少し長めに作られている感じも
したが、どうせならその前の3つのエピソードはプロローグ
的に短くするか、もっと最後のエピソードとの絡みを持たせ
て、この話を分厚く描いた方が良かったのではないかな。
大川隆法原作の作品群では、2018年9月23日題名紹介『宇宙
の法 黎明編』などのシリーズはそれなりに壮大な展開で面
白いところもあったが、それ以降は−コロナ期の作品は観て
いないが−少しスケールダウンしている感じもする。
出来ればもっと壮大な物語を見せて欲しいものだ。
公開は10月7日より、東京はシネマート新宿、ヒューマント
ラストシネマ渋谷他で全国ロードショウとなる。

『夜、鳥たちが啼く』
2010年9月紹介『海炭市叙景』、2014年2月紹介『そこのみ
にて光輝く』などの佐藤泰志原作を、2022年5月紹介『ビリ
ーバーズ』などの城定秀夫監督で映画化した作品。なお佐藤
原作の映画化では、上記2作を含む4作品が函館の映画館で
製作されたが、本作は別系統のようだ。
主人公は一時は新人賞の受賞で持て囃されたが、以降は鳴か
ず飛ばずの小説家。同棲していた女性には愛想を尽かされ、
出て行かれたが、実はそれ以前から彼は自宅の庭に建てられ
たプレハブに住み、家庭内別居の状態だった。
そんな彼の家にシングルマザーの母子が引っ越してくる。そ
の母子に彼は自宅を貸し与え、彼自身はプレハブ暮らしを続
ける。そして母子の息子とも親しくなって行くが…。彼自身
の過去や母子との関係が徐々に解き明かされて行く。
出演は2017年4月、8月紹介『トモダチゲーム』などの山田
裕貴と、2017年4月2日題名紹介『22年目の告白』などの松
本まりか。他に森優理斗、藤田朋子、宇野祥平らが脇を固め
ている。
脚本は、『そこのみにて光輝く』と2016年7月17日題名紹介
『オーバー・フェンス』も手掛けた高田亮。実は城定秀夫監
督とは互いに助監督時代からの盟友だそうで、監督の特集上
映のトークイヴェントに招かれた脚本家が、また一緒にやり

[5]続きを読む

09月11日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る