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On the Production
by 井口健二
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■デッド・ドント・ダイ、君の誕生日(はるヲうるひと、薬の神じゃない!、サイコマジック、のぼる小寺さん、裏アカ、ハニーランド永遠の谷)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『デッド・ドント・ダイ』“The Dead Don't Die”
2017年7月9日題名紹介『パターソン』などのジム・ジャー
ムッシュ監督が、2013年10月紹介『オンリー・ラヴァーズ・
レフト・アライヴ』に続いて挑んだジャンル・ムーヴィ。今
回はカンヌ国際映画祭のオープニングを飾った作品だ。
そのジャンルは、前作では吸血鬼だったが、本作はゾンビ。
そして描き方は、前回は耽美主義的だったが、今回はホラー
コメディ調とジャンル映画のファンも納得させる作品になっ
ていた。
物語の舞台はアメリカの田舎町。その町で深夜勤務を終えた
ダイナーのウエイトレス2人が腹を食いちぎられて殺される
という事件が発生。その現場には町に3人しかいない警官が
駆け付け、1人がゾンビの仕業と見破る。
そして“Kill the Head”(頭を殺れ)を合言葉にゾンビとの
対決が始まるが…。そこに合気道の道着で鍔無しの日本刀を
振り回す葬儀社の女化粧師も参戦して、壮絶な戦いが繰り広
げられる。
さらに映画には様々な作品へのオマージュや、とんでもない
ギミックなども登場してファンを喜ばせ、最後には監督から
の辛辣なメッセージが語られる作品だ。
出演は、2004年12月紹介『コーヒー&シガレッツ』以降の監
督とは4度目のタッグのビル・マーレイ。『パターソン』に
続いて2度目のアダム・ドライヴァ。『オンリー・ラヴァー
ズ…』に続き4度目のティルダ・スウィントン。
他に3作目のクロエ・セヴィニー。4作目のスティーヴ・ブ
シェミらのファミリーが結集し、ダニー・グローヴァー、イ
ギー・ポップ。そして『コーヒー&シガレッツ』以来久々の
トム・ウェイツらが脇を固めている。
さらにオースティン・バトラー、ルカ・サバト、セレーナ・
ゴメスらの若手の起用も注目の作品だ。
それにしてもマーレイ、ドライヴァ、ブシェミの男優3名の
役名がクリフ・ロバートスン(俳優)、ロニー・ピータースン
(F1ドライヴァー)、フランク・ミラー(アメコミ作家)とい
うのも面白い。
ゾンビのスタイルとしては、2019年9月29日題名紹介ジョー
ジ・A・ロメロ監督の1978年作品をしっかりと踏襲したもの
だが、ゾンビの嗜好が本来の生きた人間の肉だけでなく様々
に展開されていて、そこに監督の主張が込められている。
それが少し生硬に語られる感じなのは多少気になったが、こ
れくらいにしないと今の観客には理解されないという感覚な
のかな。ただしそれをギャグにしているのはさすがという感
じもしたものだ。ファンも満足の作品になっていた。
公開は4月3日より、東京はTOHOシネマズ日比谷他にて全国
ロードショウとなる。

『君の誕生日』“생일”
2018年7月紹介『1987、ある闘いの真実』などのソル・ギョ
ングと、2017年11月19日題名紹介『スキャンダル』などのチ
ョン・ドヨンの共演で、韓国で起きた現実の出来事にインス
パイアされたドラマ作品。
映画の始まりは大きな荷物を抱えて妻と幼い娘がいるはずの
アパートを訪れる男性の姿。しかし呼び鈴に反応はなく、男
性は別の親族の許へ身を寄せる。その後に男性は妻子と会う
ことが出来るが、妻の態度は頑なだった。
そんな妻の許へは遺族を支援する団体と称する人物が、息子
の誕生日会の準備をするとして訪れる。しかし妻はその誘い
も断り続ける。その態度には異常性も感じさせる。そして妻
は息子の写る集合写真を手に入れるが…。
そんな妻の態度に振り回される夫と幼い娘。それでも夫と娘

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03月22日(日)
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