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On the Production
by 井口健二
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■囚われた国家、ndjc(優作について/CLUB DEJA-VU、カゾクデッサン、ポップスター、彼女は夢で、ムヒカ、白い暴、オーバー・ザ・L、悪い偶)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
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『囚われた国家』“Captive State”
2011年『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』の監督を務めた
ルパート・ワイアットの製作・脚本・監督で、2018年に襲来
した地球外生命体(エイリアン)により世界各国が支配された
後の未来社会を描いた作品。
その侵略は突然始まった。その混乱の中、シカゴの中心街か
ら脱出しようとした一家は攻撃を受け、前部座席にいた両親
は即死、後部座席で身を屈めていた11歳と15歳の兄弟が辛う
じて生き延びる。
それから9年後の2027年、世界の主要都市はエイリアンの支
配下に置かれていた。そして各都市の地下にはエイリアンの
居住区が設けられ、特にアメリカ政府は地下資源を搾取する
エイリアンに追従するばかりだった。
このためアメリカ社会では、エイリアンに協力する富裕層と
反抗する下層階級との格差が広がり、下層階級からはテロに
よる現状の打開が期待された。しかし圧倒的なエイリアンの
武力の前にそれは叶わぬ夢のまた夢だった。
そんな未来社会で、生き延びた兄弟の兄はテロリストのリー
ダーとして警察の追及を受ける身となり、他方の弟は父親の
元同僚だった警察特捜司令官の許で仕事も貰っていたが…。
その弟に行方不明だった兄との連絡の機会が訪れる。
そして再会した兄は、エイリアンへのテロ攻撃の最後の計画
を進めていた。
出演は、2017年2月5日題名紹介『ムーンライト』で10代の
主人公を演じたアシュトン・サンダースと、2019年5月紹介
『荒野の誓い』などのジョナサン・メジャース。他にジョン
・グッドマン、ベラ・ファーミガらが主要な役で登場する。
プレス資料によると監督は、脚本を書くに当ってはジャン=
ピエール・メルヴィル監督の1969年『影の軍隊』と、ジッロ
・コンテコルヴォ監督の1966年『アルジェの戦い』を参考に
したそうで、その点では本作はSFというよりレジスタンス
映画の雰囲気を捉えている。
その一方で監督は、歴代最高のSF作家として1982年『ブレ
ードランナー』の原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか
?』の著者フィリップ・K・ディックの名前を挙げており、
確かにそのイメージはあると言える。
とは言え本作ではレジスタンス映画の色彩は濃いもので、そ
の点では特に前半はSFの目で見るのは辛いかもしれない。
しかし後半に入ってテロの計画が進み始めると、警察との攻
防などが巧みにSFになって行く。それはSF映画ファンの
目にも好ましいものだった。
なお本作ではシカゴでの攻防戦が描かれるが、エイリアンの
支配は東京を含む世界各地で行われているもので、これは場
所を変えての別の攻防戦も描けそうだ。そんなシリーズ化も
期待したくなった。
公開は4月3日より、東京は池袋シネマ・ロサの他、全国の
イオンシネマでロードショウとなる。
『ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2019・合評上映会』
2019年2月にも紹介した文化庁事業の2019年度版。事業の主
旨は昨年の記事にも書いた通りで、本年度も各映画団体から
推薦された若手監督による35oフィルムを使った各々30分の
作品が3本制作され、会場で上映された。
「あなたみたいに、なりたくない」
シナリオ・センター推薦。1986年生まれの川崎僚監督作品。
主人公は28歳の地味なOL。地味ゆえに土曜出勤なども頼ま
れやすいが、その場を救ってくれるやはり未婚の地味な先輩
もいる。そんな先輩を尊敬しながらも、ああはなりたくない
と思っている主人公だったが…。
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02月09日(日)
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