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On the Production
by 井口健二
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■巡礼の約束、バニシング(もみの家、プレーム兄、リチャード・ジュエル、劇場版 おいしい給食、ジョン・F・ドノヴァン、ナイブズ・アウト)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『巡礼の約束』“阿拉姜色”
2016年7月紹介『河』(公開題名:草原の河)のソンタルジャ
監督による新作で、2018年上海国際映画祭にて審査員大賞と
最優秀脚本賞の2冠に輝いた作品。
舞台はチベット高原東部の町ギャロン。その町に住む主婦が
突然ラサへの巡礼に出ると言い出す。その様子に夫は只なら
ぬものを感じて反対するが…。妻は実家に行き、そこで暮す
前夫との間の息子には会えないまま旅が始まる。
その巡礼には町の娘2人が同行するが、五体投地で進む旅は
過酷なものだった。そこに夫がバイクで追いつき説得しよう
とするが聞き入られることはなく、やがて同行者の2人が離
脱しても旅は続いて行く。
こうして1人で進む旅に主人公の弟が彼女の息子を連れて現
れる。そして弟が帰ろうとした時、息子は母親と共にいるこ
とを決める。さらに夫も再び合流し、主人公と互いには血の
繋がらない夫と息子との3人の旅が続いてゆく。
出演は本作で中国国内の映画祭で女優賞を受賞したニマソン
ソンと、現地で1000人のオーディションから選ばれた撮影時
11歳のスィチョクジャ。ギャロン出身で舞踊家・歌手として
知られ、本作のプロデュースも担当のヨン・ジョンシャ。
他に詩人としても活躍するジンバらが脇を固めている。
脚本は監督と、チベット人作家で日本では2000年に公開され
た『チベットの女イシの生涯』などの原作者として知られる
タシダワが共同で執筆。因に本作は、2011年に長編デビュー
したソンタルジャ監督の3作目だそうだ。
2016年『ラサへの歩き方 祈りの2400km』でも描かれた五体
投地で聖地を目指す巡礼旅は過酷としか言いようのないもの
だが、先の作品は村を挙げての行事で団体での行動はそれな
りに理解はできるものだった。
それに対して本作は、一応同行者がいるとは言うものの実行
するのは1人だけで、それはもう理解を超えるものだ。しか
も映画では、額の傷が大きくなって行くなどの描写もあり、
それまでする願いは何なのだろうという思いもする。
一方、本作は夏から秋、冬、春と、チベット高原の季節の変
化も見事に描写された作品とも言える。そこに家族の絆や親
子愛、夫婦愛などが巧みに織り込まれている。そんな感じも
する作品だった。
ただ、最後に登場する「ラサまで3q」という道路標識が、
確か2016年作にも登場していたように思うのだが、そこはま
だ最後の峠の手前の場所で、とても後3qに思えない。前作
でも疑問に感じたが、今回も謎のままだった。
公開は2020年2月8日より、東京は神保町岩波ホール他にて
全国順次ロードショウとなる。

『バニシング』“The Vanishing/Keepers”
スコットランド出身で、2019年10月13日題名紹介『エンド・
オブ・ステイツ』などのアクションスターの俳優ジェラルド
・バトラーが、出演と製作も手掛けた同地の実話に基づくと
されるサスペンス作品。
物語の基となっているのは1900年12月に起きた「アイリーン
・モア灯台事件」。スコットランド西部のアウター・ヘブリ
ディーズ諸島に属する小さな無人島で灯台を守っていた3人
の男が忽然と姿を消した。
それは12月15日に沖合を航行中の貨物船が、夜間に向きを変
えるため灯台を探したが見つからず、応答もなかったという
報告に始まり、10日後に定期の補給のための船が立ち寄ると
3人の灯台守の姿がなかったというもの。
そして作業日誌には暴風が襲来したとの記載があり、道具箱
もなかったことから、嵐の中を作業に向かった灯台守たちが

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12月29日(日)
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