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On the Production
by 井口健二
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■一度死んでみた(シンカリオン、サヨナラまで、酔うと化け、名もなき、ハスラーズ、続・荒野の、東京不穏、現在地はいづく、彼らは生きて)
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※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
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『一度死んでみた』
「白戸家」シリーズなどを生み出したテレビCMプランナー
の澤本嘉光が脚本を手掛ける少しSF的な要素もあるシチュ
エーションコメディ作品。
主人公は「デス」をテーマにしたパンクロックを歌っている
女性シンガー。実はある製薬会社の社長の娘なのだが、仕事
第1で学問最優先の父親の教育方針に抵抗して、特に母親が
死去した後は自宅内にラインを引いて生活を分けている。
一方、父親の経営する会社では、「ロミオ」と名付けられた
若返り新薬の開発が進められており、その研究成果を狙って
大手会社からの合併の画策が進んでいた。当然社長はそれに
反対だったが…。
そんな時、「ロミオ」開発の副産物として一時的に死亡した
状態になる薬が開発される。そこで社長は、その薬を使って
自分を死亡させ、その時の社内の状況を見て合併を画策する
連中のあぶり出しを謀る。
斯くして社長は、2日後に生き返るように処方された薬を飲
み「一度死んでみた」が。その状況を把握した連中は2日以
内に火葬を執り行おうとし、父親の遺した言葉から全てを察
知した娘との攻防戦が勃発する。
主演は広瀬すず。共演に吉沢亮、堤真一。他にリリー・フラ
ンキー、小澤征悦、嶋田久作、木村多江、松田翔太。
さらに加藤諒、でんでん、柄本時生、前野朋哉、西野七瀬、
城田優、原日出子、真壁刀義、野口聡一、佐藤健、池田エラ
イザ、志尊淳、古田新太、大友康平、竹中直人、妻夫木聡ら
が脇を固めている。
監督はCMを数多く手掛ける浜崎慎治の長編デビュー作のよ
うだ。
2019年12月8日題名紹介『テリー・ギリアムのドン・キホー
テ』では、CM業界から長編映画に進出した監督の姿が描か
れていたが、以前にも何本か観ているその手の作品では、得
てして監督の独り善がりが鼻につくことが多かった。
実際、本作と同様に澤本嘉光が脚本を手掛けた2014年『ジャ
ッジ!』は広告業界の裏側を描いているせいか、何とも煮え
切らない中途半端な作品で、試写は観たもののここでは取り
上げなかったものだ。
そんな危惧も感じながら観た作品だったが、本作では先ず巧
みなストーリーテリングに感心した。特に鏤められた伏線が
纏まって行く心地の良さは、これはある種のカタルシスにも
なっていた。
それにCMを基にしたギャグも適度にバランスが良く。さら
には新薬のネーミングから、死後の世界との絡みなども気持
ちよく楽しむことができた。SFとしての解釈も妥当で、新
たな才能を見つけたと言えそうだ。
公開は2020年3月20日より、東京は新宿ピカデリー他で全国
ロードショウとなる。
この週は他に
『新幹線変形ロボ シンカリオン
未来からきた神速のALFA-X』
(2015年から展開された玩具を基に、2018年1月から2019年
6月まで全76話が放送されたアニメシリーズの劇場版。JR
各社や鉄道博物館の協力により製作された作品で、実在する
新幹線の各車両が変形、巨大ロボット化して敵と戦う物語が
展開される。特に今回の映画版では、2019年5月に登場した
JR東日本の新幹線用高速運転試験電車「E956(ALFA-X)」
がフィーチャーされているものだ。物語は地球を狙う新たな
敵が宇宙から襲来、同時に主人公の父親が行方不明になる。
そこに謎の少年が登場し、少年は北海道新幹線の延伸工事現
場で発見された試験車両ALFA-Xの運転席に座り、主人公らが
座るE3つばさ、E5はやぶさ、E6こまち、E7かがやきなどと共
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12月22日(日)
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